『エドワード8世』感想・4

月組公演『エドワード8世/Misty Station』を2週間ぶりにみてきました。
楽しかったー!
帰りの電車の中で幸せをかみしめました。

私のヅカ歴は10年にも満たない(なんせ初観劇は90周年のとき)のであまり過去のことは言えないんですが、トップのさよなら公演の芝居がこんなにマトモだったことってどれだけあるだろうか。
『エリザベート』みたいな大作海外ミュージカルならまだしも、劇団のオリジナル作品でこれほど面白かったものって、記憶にない。

サヨナラ色を強めるとたいてい脚本はつまらなくなるんだよな…。
作品の出来不出来よりもトップの退団を彩る儀式としての要素が強まるためか。
それはそれで大事なことなんだけど。

で、『エドワード8世』。
彼の葬儀のシーンからはじまるのには少々ギョッとさせられたけれど、はじまってみれば(いろいろ詰め込みすぎの気はあるにせよ)、とてもよい作品。
ストーリーが面白いのと、おしゃれなのと、それでいてサヨナラ作品としての惜別のシーンがきちんと設けられているところがいい。

演出家から出演者(特に退団者)への愛が感じられるうえに、それを形づくり、表現する能力がある。
大野くん、ありがとう、だ。

この作品は何度もこちらの涙腺を刺激する。
特に後半。

デイヴィッドが退位し、ラジオ原稿をヒロさん演じるチャーチルに手直ししてもらう場面。

そして兄に代わって王位を継ぐことになった弟・アルバートとのやりとり。

亡き彼のことばをラジオで聞くウォリスの表情。
背後には星がきらめく。2人の関係の永続性を示すかのように。

そして2人の結婚式。
そしてセリで上がってきて放送を続けるまさお演じるガイ。
彼によって伝え続けられていくんだ、彼ら――デイヴィッドとウォリス、そしてきりまり――の物語が。

一番涙腺を刺激する場面は兄弟の王位の引継だ。

「お前ならいい国王になれるよ」とデイヴィッドに言われて、弟のアルバートは微笑みながら「いつもの口から出まかせだ」と返す。
デイヴィッドに「本当だ」と言われて目をみひらく。
そして心底幸せそうな笑顔をみせる。

この流れが幸せで、本当によかったねと思う。いい兄弟だ。
社交的で軽やかに生きる兄と、地味で堅実に生きる内向的な弟。
真逆ともみえる2人の絆が感じられる。

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