『ルパン』新公感想・1

2021-01-31月組

7月30日に行われた月組大劇場公演『ルパン -ARSENE LUPIN-』の新人公演を観てきました。

担当は、本公演で演出助手をしている谷貴矢センセイ。

●たまきちとみゆは安定。

これは経験がものをいうか。
新公や小公演の主演・ヒロインを何度もやっている2人だけある。

前にも書いたけれど本公演はミステリーで新公はラブロマンスの印象を受けた。

まさおに比べてたまきちは良くも悪くも普通な人なので、それが大きな理由かと思う。
まさおほどマイワールドっぷりを出さないし、悩み方も普通。
ちゃんと「人間」なんだよね。(まさおは……変人?)

作者・ルブランとのやりとりも、まさおだと妄想なのか夢なのか自分の中につくったもう一つの人格との会話なのかわからないのだが、たまきちだとあんまりなんの疑問も浮かばない。
ルブランが他人に見えないのは変だけど、それでも単に人間同士のやりとりに見えるのであった。

ていうか、たまきちだとメタ設定すら現実に着地させてしまうのか……?!

最後の歌は低音部が苦しかったな。そこが残念。

●みゆのカーラはそこはかとないドヤ感が「社交界の華」っぽかった。
こういうハッタリ感は大事です。

歌も芝居もやはりうまい。
ただ銀橋の歌は彼女にしてはイマイチで、そのあとのたまきちとのデュエットから本調子に思えた。

婚約発表のシーンでは、手を盛大にぷるぷるさせるオックスフォード公エドモンド(演じてるのはゆーみん)の手を扇で支えてるのが笑えました。

●あーさのヘアフォール伯爵はまず美しい。
白い宝塚の二枚目。
きっちりと丁寧に演じている。

芝居も歌もいいんだけど、飛びぬけたところがない。
品の良さ、行儀の良さを感じつつも、少々物足りなく思えた。

本役のみやるりに感じた器の大きさ、懐の深さを出すには学年と経験が足りないのだろう。

●モーリス・ルブラン役のまゆぽんもまた、見事に安定した出来。
おっさんを演じさせるとほんとにうまいよなぁ。

みっちゃんより枯れてる感じがしたなー。

今回歌などで拍手を入れにくい作りになってるんですが、まゆぽんの歌にはきっちり入ってました。
タイミングもさることながら、やはり拍手したくなる歌と芝居だということだわ。
いつ聞いてもいい声です。

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