『ベルリン、わが愛』新公感想・1

2021-01-31星組

10月24日(火)18時からの星組大劇場公演『ベルリン、わが愛』新人公演を観てきました。
主演は極美くん、ヒロインは星蘭さん。研4と研3、どちらも初。
新公担当の演出家は栗田優香さん。『幕末太陽傳』の新公と同じ人だ。

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●主役・極美くんのテオ・ヴェーグマン。

素直な歌、素直な芝居。
取り立てて強い印象はないが見やすかった。
映画に対する思いもまっすぐ、ジルへの対し方もまっすぐ。

ビジュアルが美しいのはいいところですね。

●2番手・ぴーすけのエーリッヒ・ケストナー。

本公も新公も、この役に対してどう思っていいのかわからない。
かわいい役だなと思う。
ほっこりするし、いいやつだなと思う。
でも“2番手”として宝塚の舞台で仕事をするとなると、やることがあんまりない。
「テオの友達」「いい人」以外になんにもないように感じる。(これは原田くんへの文句)
そうなると本役のれいまこっちゃんより歌は上手くないよね、でもまぁ普通だよね、となってしまうのが切ない。

強い印象を残しにくい役を、ちゃんときちんと演じてた。
レーニに強く迫られるところはおびえてて可愛かったし。

●星蘭さんのジル。

弱い。――これが第一印象。

か弱い、そして気弱なジル。
これが演技プランなのかどうなのか……中の人の不慣れや緊張が出ているのかと感じた。

本役あーちゃんの生命力あふれた存在感と違って新公星蘭さんはお人形のようにおとなしい。
打ち上げでレーニに「あなたみたいな地味な人が」と言われるのに納得しそうになりつつ(星蘭さんの美貌は地味じゃないんだけど)、「なに好き放題言わせてんねん! ちっとは言い返さんかい!」と声をかけたくなるような感じ。
ちょっとイライラした。

美貌だし、学年を考えたら歌も芝居もとりたてて悪くないんだから、もっと自信をもって舞台の真ん中に立ってくれ!と思った。
この自信なくみえる感じが演技でないとしての話だけど。

ゲッベルスの毒牙にかかりそうになったあと、テオと映画を撮ることになったところでジルが「立ち上がった」ように見えた。
気弱な女性が生きる覚悟を決めたというか。
アウグスタ王妃のドレス姿は着映えして美しい。

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