月組版『愛するには短すぎる』感想・1

2023-05-17月組公演感想,月組

月組全国ツアー公演『愛するには短すぎる』を見てきました。
11月14日(水)12時公演と16時30分公演(千秋楽)。

この作品は過去に2度星組で上演されたこともあり、再演の再演ではあるんですが、両方とも未見なので私にとっては完全に初見であります。
だから初演版や前作とは比較できません。

舞台写真その他はみたことあるけれど、わたとな版で聴いた主題歌の歌詞がひどい(ハム平氏め…)という印象しかなかったのでほとんど期待してなかったんですが、すいません、面白かったです。
原案は公平氏とはいえ、いちおうハリーの作品だもんなぁ。それもちょっと前の、(最近の作品とはちがって)眠くなる前のハリー。

あと、あの主題歌の歌詞そのものは「詞」じゃなくて「文章」すぎて腹立たしいことに変わりないのですが、まさちゃぴがラストで歌うとあまり気にならないのでした…。
なんでだ。
芝居の流れで歌われる説得力なのか、歌唱力の差なのか。

舞台の印象としては、すごくまとまってる。
変な人はたくさん出てくるし、役としてははじけていて、出演者たちもみんないろいろと芝居してる。それなのに、全体的に見るときちんとしている。

ものすごく整理されたマジックボックス。

たとえばカラマンディス夫妻は、パーティーの場面などで物語の結末につながるような動きをしているのに(イヤリングを品定めする様子を見せたり)、それが決して邪魔にならない。
ミセス・オサリバンは面白すぎるキャラだし、船長も苦悩のさまで笑わせてくるし、それ以外にもいろいろと派手な人がいるのに、全体的にはバランスがとれている。

しっかり演じてるしはっちゃけてるけど出すぎない。
統一性があって、舞台に品がある。
パワフルでありながらノリだけでつっぱしらず、個人プレーではなくカンパニーとしての出来がいい。
結果、出演者たちの性格のよさ、舞台人としての力量と職人的な矜持を感じました。

こういうきっちりした舞台は好きです。心から満足しました。

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