雪組全国ツアー公演『愛するには短すぎる』を観てきました。
ほぼご当地な梅田芸術劇場で、8月26日(日)11:30と16:30の回です。
「愛短」は何度も再演されている作品で、今回が4度目の上演になります。
私はわたとな版とちえねね版は未見で、月組のまさちゃぴ版は観たことがあります。
まさちゃぴ版は2012年、もう10年以上も前なんですね。そりゃいろいろと覚えてないはずだわ。
※以下、褒めてんだかけなしてんだかわからない書き方になるので注意※
この作品の出会いはわたとな版の主題歌CDで、感想は「ひっでぇ歌詞……」でした。
(作詞は公文健こと小林公平氏)
再演版だって主題歌の歌詞は変わったりしないんですが、今回はけっこう役に合ってるなと思いました。
咲ちゃんのフレッド・ウォーバスクならこういう言い方するかもしんないってことです。
まず歌詞。
「君を抱きしめるには時があまりにも限られているけど
魂の全てを賭けて愛しているから」
「全てを賭けて愛しているから
けして言うまい愛するには短すぎると」
この、説明くさく言葉の流れの悪い歌詞。
初めて聞いたときからどうにかならんかと思い続けて、まぁどうにもならないですし、もちろん今回も使われていたんですが。
咲ちゃんの演技には妙にハマるんですよね。
お気づきの方もおいででしょうが、私はわりと咲ちゃんの演技が苦手でして。
良く言えば滑舌がよく、悪く言えばカクついた話し方がどうもね……。
ですが、このカクついた話し方をするフレッドなら、こういうスラスラいかない言い方でバーバラに愛を告げるんじゃないかと。
周囲からはお金持ちの美男子で恵まれていると思われつつも、実は田舎生まれで努力家で生真面目なフレッドが、生真面目に、必死にバーバラに想いを伝えるとこうなるんだなという説得力がありました。
もう一つ、咲ちゃんの演技でよかったと思うのは「恋は元々アンフェア」。
あーさ演じるアンソニー・ランドルフとの掛け合いです。
フレッドは劇作家志望の親友・アンソニーに振り回されるんですが、この振り回されているときの咲ちゃんがいい。
おそらく私の苦手な咲ちゃんというのはセリフが力みすぎてる点によるのが大。
でもアンソニーに振り回されてるときは「えぇ……」と情けないことになっていて、かっこつけようもなくセリフに力みもない。
そうして振り回されているフレッドは可愛いんである。
男役としてかっこつけようとするのは大事なんですが、かっこつけてないときのほうが好きなんだよなぁという気付きでした。
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