雪組全ツ版『愛するには短すぎる』感想・2

だいぶ時間が経ってしまいましたが、雪組全国ツアー公演『愛するには短すぎる』の感想の続き。
梅田芸術劇場で、8月26日(日)11:30と16:30の回を観ました。

バーバラ/夢白ちゃん

歴代バーバラに比べ、夢白ちゃんのバーバラ・オブライエンは、自立して生きていけそうでした。

バーバラは女優の夢は諦めて故郷に帰れば病気の母が待っているんですが、それもきちんと受けとめて現実的に着実にキャリアを築いていきそうな強さがあります。
悲壮感がないというか、「これが自分のできるベストだから」と切り替えをきっちりしてそう。
自分の経験を糧に起業しそうなバーバラです。

ヒロインらしい情緒はあるんだけど、船を降りたらフレッドとの思い出もあくまで思い出として、悔んだりしなさそうだなぁ。

舞台設定は昔だけど現代的な雰囲気があるヒロインで、観客にも受け入れられやすそう。
「かっこいいってこと?」と言う主人公・フレッドに「そうでもないけど」みたいに返すところのサラッとした感じが好きだわ。

華があってダンスが上手いので、船でヒロインポジも務めるダンサーとして納得でした。

アンソニー・ランドルフ/あーさ

あーさのアンソニーは詐欺師というよりフレッド専属のヒモっぽさがありましたね。
卑屈にならずに素直に甘えられるのはいいところのお坊ちゃんだからか。
なんだかんだお金には困っていなさそうな気がします。
だからあえてフレッドに甘えたり借金したりすることで縁が切れないようにしてるんだわ!(適当)

あーさは顔が良すぎてどうしても見た目の印象が強くなってしまうんですが、芝居も歌もすごく上手いですよね。
咲ちゃんフレッドを転がす間の良さにはしびれる。
自分が出すぎるわけでなく、イイ感じに「細かいことを言うな!」とか、おま言う案件を出してくるんですよ。存在感はあるけど1人で芝居をしていない。相手との呼吸がいい。

そしてフレッドとの「恋はアンフェア」のハモりがいい。

しかしれいこちゃんといいあーさといい、脚本家や演出家やプロデューサーばかりやるが、95期生は「自分が舞台にお立ちなさいよ」案件である。

フランク・ペンドルトン/かせきょー

かせきょーは学年に似合わず上手い人ですが、経験値がないと難しい役に当たりました……という印象です。
頭を打つのもまた経験でしょうか。

フランクはモラハラ気味にバーバラに迫るリーダー。
「借金を返すのはいつでもいいって言ったじゃない」と言うバーバラに、「船を降りるんなら別だ」「すぐに耳を揃えて返せ」「借金を返す方法はひとつじゃないってことだ」と借金をかさに無理に関係を持とうとしたり、盗難事件ではまったくバーバラを庇うそぶりがなかったり。
共感はできないが、そういう奴もいるよね。

ショー仕立てのダンスシーンはさすがの華やかさで、宝塚のスターでありつつ、作品中のリーダーポジションというのがよく見えました。

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