月組版『愛するには短すぎる』感想・3

2023-05-17月組公演感想,月組

・オサリバン夫人のすーちゃんはおかしかった。
やっぱりすーちゃんはこういう脇の変な人が似合う。ロミジュリの赤夫人は柄じゃないよなぁ…。

このオサリバン夫人、出るわ出るわしゃべるわしゃべるわ。
初演版は誰がやってたんだ? こんなのやれる(やらせてもらえる)格の女役いたっけ? と思ったら、マヤさんなのであった。
納得。
再演にあたって性別が変わったのね。

フレッドに「オサリバン夫人もパーティーに出て」と言われて「いえいえ、私なんかが…」と断ってるくせに、いざその日には誰よりもすごいドレスで現れるところが最高だった。
めちゃくちゃ浮いてんの。「古くさい」「ダサッ」とか思われてるんだろうな…。

ていうかオサリバン夫人は「私なんかが」と言いつつあのドレスを船に積み込んでいたのだな。出る気まんまんじゃねぇか。

・フレッド(まさお)とアンソニー(みやるり)のやりとりのテンポの良さがとっても正塚芝居。
面白かったけど、もうちょっとセリフの間がよければなぁ…と思うときは何度かあった。

2人のデュエットはよかった。
なかでも「恋は元々アンフェア」のサビの部分、「アンフェア」部分を伸ばして重ねるところが特に好きなんだ。

誰とハモってもけっして消えなくて、相手の声も消さなくてちゃんと合うまさおの声ってすごいなと思う。
まさおはソロもいいけど、誰かと歌ったときにこうして声質の面白さを実感する。

・アンソニーはイイ奴。
要領がよくて調子乗りでチャラくてにくめない。

小切手のくだりが大好き。
不渡りの出そうな小切手を渡して、そのあといけしゃあやあとフレッドに甘えるとかぬけぬけと自分の手柄にする気まんまんだとか、絶対私できない(笑)。
だからこそこういうことをできる人が羨ましい。

フレッドより数段いいヤツに見えたわ…。知恵という意味で頭いいし。
ただしつきあっても長続きしそうにないけど。

・船員チームはかわいかったなぁ。
ちょこちょこと出てきて変なことをしたり言ったり。
クスリと笑わせて、でも舞台を壊さない。
そのバランス感覚がよかった。

・みくちゃんはあまりいい役じゃなかったけど、それでも彼女の芝居は好きだ。
レモネードの場面、あのぬぼーっと立ってる姿が軽くホラーで(笑)。

もし数年後、この作品が月組で再演されることがあるなら彼女でオサリバン夫人をみたい。

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