『赤毛の~』を読んだんだ

宝塚一般,雑誌・書籍

『赤毛のなっちゅん』の筆者はなつめさんのお姉さんです。

阪田寛夫氏のお嬢さんということが関係あるのかどうかわかりませんが、すごく読みやすい文章です。
しかもさっぱりとしていてツッコミも冴えていて―――笑えます。
いやもう、ほんとに面白い。

なつめさんの葬儀のことにはじまり、時間を大きく遡ってなつめさんの誕生、幼少時、少女時代、宝塚時代、宝塚を卒業してからのこと、そして病に倒れて―――、と。
かなりな内容も含まれているにも関わらず気持ちよく読めて、読後には清々しさすら感じるというのは不思議ですね。

私がなつめさんをナマで観たことがないため、ファンの方とちがって特段の思い入れがないからという理由は大きいと思いますが、それだけではないでしょう。
彼女の生き様、ありように心うたれる部分があるからでしょうか。

研1のときに「バンビーズ」に選ばれたのに、1年間舞台に立てなくなるからと辞退した話には驚きました。
辞退できるんだねぇ。
「バンビーズ」なるものは本で読むかぎりしか知りませんが、人気スターの登竜門だったそうなのに、それよりも舞台に立つほうを選んだというのは変わり者扱いされそうな気もしますが、どうなのでしょう。

花組時代に新公の稽古そっちのけでとりくんだという「発表会」ごっこの話もおかしい。
ここでは書かれてないけど、「セブンライツ」の歌をやったのがこれかな(偉大な親の七光をコミカルに歌にした話を、なつめさんご本人の著書で読んだ記憶がある)。

発表会の入場条件は「盛装してくること」。
――専科の松本様がパジャマにおたいこ帯で来られたそうな。

なつめさんが下級生だったころ、「一山さん」と噂されあだ名をつけられた話も出てます。
一山売って、そのお金でなつめさんがショーの場面を買ったと、根も葉もないうわさを立てられたとのこと。
(当時の音校生が喫茶店で噂をしていたのを、ファンの方が聞いて憤ったそうな)

宝塚でこういう噂が流れるのは今も昔も変わらないのね……。

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