全ツ版『長い春の果てに』感想・4

花組

ステファン役の、金髪の蘭寿さんは美しかった。
札束をまき散らすのが似合うのは、さすが宇宙ナンバー1ホストだけある。

寝姿も美しかった。
『逆転裁判』以来の寝姿かな。鼻梁がいいのよねぇ…。

ハ行が入っちゃう歌は、千秋楽はほとんど直っていて「ちっ、楽しみにしてるのを気づかれたか!」と残念がっていたのだが、時間を追うにつれてハ行の蘭寿さんぷりが出てきて満足させてくれたのでした…。
(そんなのばっかり楽しみにしててごめんなさい)

最初は丁寧に歌っていても、後になるほど感情が乗っていってそんなことに気をとめてらんないのよ! ってことになるのか?

あと、何度か強い酒を口に含むシーンがあるんだが、あのときの顔はけっこうインパクトがあった。
目を大きく開けて長くなった顔はけっこう面白かったよ…。
(ちょっと、ひょっとこっぽいと思いました…)

ステファン先生は優しすぎるくらい優しくて、自分の患者の死に、生きている患者を相手にできなくなるくらいのトラウマを抱えるのもわかるくらい優しい。
札束をまき散らしていても、どこかピュアだ。

恋人ができてもトラウマからは解放されなかった彼が、エヴァと会ったことで安らぎを得、そして階段をのぼっていく。
優しいピアノの音と、おいしいショコラ。
心がほどけていく様が、こちらにまで柔らかく伝わってくるようでした。

ただなー、お母さんや謎のお色気看護婦やらのインパクトが強すぎて、ステファンやエヴァの、メインの芝居の印象が薄れぎみ。
観ているときはもちろん楽しかったんだけど、物語と直接関係しない遊びが強すぎて、なにを観に行ったのかよくわかんないことになってしまいました。

芝居が楽しかったわりに後を引かなかったのはそのせいだと思う。
もうちょっと心に残る作品のほうが好きだなぁ。

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花組

Posted by hanazononiyukigamau