『春の雪』感想・3
●聡子のみゆはよかった。
まず、声がヒロインしている。
小声で話してもきちんと客席に届くのがいい。
芝居も歌もよかった。
研3だと思うとますますすごい。
顔は美人ではないが、聡子としてのたたずまいがあったのでぱっと見問題なし。
また体格が小柄で、みりおの相手役としてぴったりきた。
公称160センチだもんねぇ。
聡子が清顕より年上か? というとわからないが、聡明で決断力がある優美な聡子であって、とてもよいヒロインだったと思う。
ちなみに、今回のみゆにちょっとあすかを思い出した。
どこか似てるのかな。
●ラストの改変(子供は聡子の「希望」である)は、生田くんの女性にみてる夢なのかな。
『~上海』のときも思ったけど、けっこう生田くんは女性に対してドリーミーだよねぇ。
聖女・聖母系を求めるというか。
●本多が帰ったあと、仏門に帰依した聡子が「どの松枝さんでしょう」みたいなことを言うのは、原作とは違う作りですね。
(原作では、本多が門跡をたずねるくだりで、少し離れたところにいる聡子が嗚咽を堪えていることを匂わせている)
これは『豊饒の海』の第4巻『天人五衰』のラストと同じだっけな。
わざわざ、このようにした意図はわからないが…。
●「また会うぜ、滝の下で」は死にかかっている清顕が本多に言うセリフだが、これは第2巻への引きなのでなくてもよかった。
というか、1話で完結している恋物語である今作には不要じゃなかろうか。
言われても意味がわからないでしょう。
●今回のスペシャルは、門跡のさち花。
すごい。
言葉ひとつ出すたびに、空気が変わる。
貴族として生まれ、世を捨て、人に尊ばれてある存在としての空気を感じる。
奈良に住まう人としての言葉も板についていて違和感がないどころか、しっくりくる。
どこの出身かと思えば北海道だと?! 二度びっくりだ。
達者な娘役だとは思っていたけど、ここまでとは。
彼女の代表作になるだろう。
芝居のできる娘役として活躍してほしい。
聡子との「辛かったやろな。」のくだりは、ベタだけれども涙腺を刺激された。
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