『春の雪』感想・5

2023-09-12月組公演感想,月組

●タイの王子様コンビはかわいい。
ほっと安らげる。
やっぱりからんちゃんは歌も芝居もうまいなぁ。そしてかわいこちゃんな役だと外見に合うから、こちらとしても観ていて楽。

はじめて出てくるところ、2人がくっついてソファーに座ってるのは日本の冬が寒いからですか。それともそのぐらいの距離感がデフォルトですか。
王族なのに子犬のようだ。かわいいぞ。

別荘のシーンで、ジャオ・ピーたちが「海だー!」「夏だー!」とおおはしゃぎしてるところがかわいい。
そして「夏なんて冗談じゃねーんだよ」的にぐったりしている清様もかわいい(笑)。

ジン・ジャンの写真が誰なのか気になるわ。
クリッサダの妹だからゆーみんの女装と勝手に予想しているのだが当たるかどうか(笑)。

●ちなつ演じる洞院宮治典殿下は聡子をめぐって清顕と三角関係になる役どころ。
だからだいぶ出番も作られていたし歌やセリフもあったけれど、あんまりおいしくは見えなかった。

治典王はまじめで実直で優しい。
清顕への想いを残したまま婚約の運びとなっている聡子に対しても、彼女の本当の幸せを願っちゃうような心の広すぎる男。

だが、耐え忍ぶ男で発散する場面がないから、すごく損な役回り。「愛した女にそんなことでいいのか?」と言いたくなるような。
かつ、あっさり身を引こうとしちゃうところが、聡子と清顕にとって都合がよすぎるからさ…。ものすごく都合のいい当て馬にみえたぞ。

あと、衣装がカーキ色の軍服一択というのは損かも。
ちなつがかっこよくみえる華やかな衣装で出てこないあたりが治典王というキャラクターの性格を示してるんだけど、損であることには変わりない。
今回の芝居にフィナーレが必要だったとは思わないけど、彼にとっては欲しかったな…。

●出家した聡子が「松枝って誰?」みたいなことを言うラストについて。

10年以上前に読んだ原作の遠い記憶では、あのセリフによって長年本多の追ってきたものが幻であったかのような、清顕という人物がほんとうにいたかどうかすら疑わしい、まるで夢のような虚ろさを出す効果があったと思う。

けれど、このタイミングで言われてしまうと聡子が門跡のことばどおり「重荷を下ろした」かのようで、「聡子、いくらなんでも忘れるの早っっ」とつっこみたくなってしまう。

なんで改変したかなー…。

●21日(日)11時公演のみりおのあいさつ。

「残り3公演となりましたが、そう思っていると思わぬことが起きたりします。」

――これは第1幕で段差を踏み外したことを言ってるのでありましょう。犬に手向ける花を摘みにいく場面だったかな。
どうってことなかったならいいけど、ちょっとどきっとしたなぁ。

「自ら、身をもって知りました。」(と、後ろの出演者たちを見回す)

客席に笑いが広がってました。

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