『春の雪』感想・4

2023-09-12月組公演感想,月組

●清顕は夜の海でだけは聡子に笑顔をみせる。
なにもみえないから、聡子に自分がどうみえるかをおもんぱからなくてよい。それがあの笑顔。

人に笑顔を見せず、自分を人より一段高いところに置こうとする誇りが悲劇の原因だ。
愚かしい、子どもじみた自意識だが、心が痛む。

●としの飯沼は、演技そのものはいいと思うんだけど、方言が身についてないように感じて、そこで芝居に入り込めなかった。
どこかわざとらしさが残る。
門跡のさち花レベルを求めるのは酷だけど、つい比べてしまうわ。

子清顕をおぶろうとしてナチュラルにスルーされるところがかわいそうで好きです。
飯沼がんばー!

清様にいいようにあしらわれて苦悩してるところはかわいそうになります。
でもヤることはおヤりなるのね…。先代様の御文庫で。

話題のベッドシーンですが、聡子がライトを浴びて話してる間も、暗闇の中コトをおこなってるのがなんとも。
押し倒されてるはるのちゃんが台から足をぷらぷらさせながらなので、つい笑いそうになりました。
しかもそのまま運ばれていくし(笑)。
(笑う場所じゃないよ!)

どう考えても相性の悪い飯沼と清様が次作では親子になるかと思うと……ひさびさに読み返したくなりました。

●みね役のはーちゃんはうまいけど、やっぱりおっかさん的な雰囲気だなぁ。
蘭乃ちゃんをもっさりさせた感じにみえた。

●期待の研2新進娘役・海乃さんは子清顕とたまきちのまたいとこ・房子の2役。
子清顕はかわいくみえたのに、肝心の娘役はイマイチにみえた。
髪型のせいか?

でも房子にヴァンプさがあってその点はよかったかな。
本多が翻弄されるのがわかるもの。

●たまきちはたまきちだなぁ、と。
下手じゃないんだけど「普通」という言葉がしっくりくる。
でもみりおに比べて体格がよろしいので、本多と清様のあーだこーだを妄想するにはいいかも。ああ、でも耽美さのカケラもないか。

●まゆぽんは安定のおっさんぶり。
この人は、ほんと若者よりおっさんのほうがしっくりくるな。まだ研4なのに。

ビリヤードのキューで清顕をいためつける場面は本当に痛そうでした。

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