
東京宝塚劇場『ボー・ブランメル~美しすぎた男~』新人公演のライブ配信を見ました。
1月29日(木)18:30開演、新人公演担当の演出家は力石明氏。聞いたことあるようなないようなお名前です。
「明日のジョー」みたいって思った記憶はあるんだよなぁ。
全体的な感想
今回の雪組新公、歌声がノーストレスでした。歌も芝居も全体的に上手くて、しかも美しい。
すごかったですね。
新公主演は律希くん(えりちゃんというのね)、109期生……てことは研3ですか。
かなり若い。これが初の新公主演になります。
新公ヒロインはかすみさなちゃん、新公3番手格にかせきょー。
どちらも106期生、研6。2人とも新公学年ながら小公演のみならず本公演でも役付きがよく経験豊富な実力派です。
まだ新公学年だったんか、という2人です。しかもまだ来年も新公学年なのよ、来年ようやく長の期ですよ。
さらに新公2番手は108期のエンリコ。芝居も上手いし舞台度胸もすごい。
こういう盤石の布陣で律希くんの初の新公主演を迎えた形になります。
新公主演/ボー・ブランメル/律希くん
ボー・ブランメルを演じた新公初主演の律希くんは、まずは綺麗でした。
「美しすぎた男」の副題に恥じない男役、新公学年でそうはいない。
さらに歌も上手い。きれいで歌える若手は貴重です。
しかも芝居ができる。
研3でこの出来は驚きました。
しかもスタイルがいいんですよね。
公称身長は169センチだけど、とてもそうは見えない。超小顔で細いからか。
かせきょーとの並びは頭身バランスがえぐかったです。
ブランメルの性格は、本役のあーさとは違って見えました。
トップスターのあーさは95期、現在もって研17。ビジュアルの美しさに秀でているだけでなく、芝居も作りこんで上手い。
研3の律希くんとは培ってきたものが異なります。
律希くんは、研3ならではの素直な演じ方に見えました。
律希ブランメルはちゃんとのし上がってくる意気もある。でも本役あーさのブランメルより泥水すすってる感じはない。屈折度も低い。貴族とまではいかずとも、小金持ちの育ちくらいの雰囲気はある。
卑屈で、屈折して、呪いと怒りを復讐の燃料にして這い上がってきたあーさブランメル。貴族社会において老練とも老獪とも思えるほどの本役に比べると、律希ブランメルはずいぶんと素直な若者に見えました。
過去を捨てた感は薄いのね。
演者自身の研3の若さがブランメル自身の若さにも見えて、ハリエットとの邂逅もまだ青春の続きのよう。学生時代の恋の続きっぽい。
律希ブランメルは若さゆえの驕りで、あーさブランメルは口達者と計算でのし上がった自負からの傲慢さに見えました。
貴族やプリンスを煽るのも、律希ブランメルは計算してるというよりナチュラルに口が悪いんじゃないかな。あーさブランメルの場合は皮肉は貴族社会をのし上がる手段だけど、律希ブランメルの場合はそこまで考えてなさそう。若気の至りというか。
だからハリエットとの再会で「本当の自分(=ジョージ)」を取り戻す、というところはあまり感じなかったのかも。
かせきょピアポントたち友人との四重唱で身分の違いを出されるとしょんぼりした表情を見せるのね。可愛い。
あーさブランメルだと奥歯を噛み締めて、絶対に弱みを見せまいと気を張るけど。
かせきょーが体格の良さと経験値、持ち味のスター感で貴族らしさを出してくるので、ブランメルの立場の弱さがきっちり見えるのも収穫でした。
ヒロイン・ハリエットとの恋は甘い。
昔の恋の名残でありつつ、プリンスの愛人を寝取る屈折も感じる本公演に対し、新公は雨の中の出会いですがるような目が純粋な恋にも見える。
舞台の出来に加え、本役との違いも楽しい新人公演でした。


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