『Victorian Jazz』感想・3

評判のいいバウですが、どうにも言いたい新人演出家・田渕くんへの文句。

●セットがつまらん。

やたらに紗幕の前での演技が多かった。
平板に感じたのはそのせいもあると思う。

どの公演でもたいてい1場面は印象的なシーンがあるのよ。このセットの使い方がキレイでテンションが上がった! と思えるシーンがね。
今回、それがなかった。

バウだから予算がない、という問題ではないと思う。
だって、生田バウだったらもれなく面白いもん。

●サラが実はウザい。

けっこう失礼な物言いをしていたりするので、ナイジェルの言葉に「なによー!」と怒っても、いやだってほんとのことじゃんとしか思えなかったりする。

「あなたって女心がわかってない!」とか憎まれ口をきくけど、いきなりすぎて意味が分からない。
ぶっちゃけ、この女めんどくせぇ…と思ってみてました。

そんなサラをかわいく思えたのはべーちゃんの功績。
メガネをくいっとしたり、壁にびたーんと張りついたり、そーっと覗いていたりの動きがいちいちかわいいんである。
怒っても声と口調がかわいいし、雰囲気にトゲがなく愛嬌がある。

ほんと、この役をかわいくできるべーちゃんすげぇやと思いましたよ…。

●ナイジェルとサラつながりで、ヒロインと恋に落ちるのが唐突。

記者には試練があるのよ~って歌って登場したサラが寒がってたから、マントをかけてあげるナイジェル。
で、寒いからこんなときは人恋しくなる的な歌を歌ってたと思う。
いつ「ぬくもりぬくもり」って歌いだすかと思った。

というか、会うの2回目ですか?
いくらなんでも早くないですか?
そういう雰囲気になる理由にムリがないですか? (フラグが立っただけだけで、たいしたことがあるわけじゃないけど)

2人の心の距離感が縮まるのは、コナン・ドイルとうまくいかなくなってからのほうがスムーズだと思う。

●とりあえず「あなたと私は似ている」と言っておけば恋につながると思っていそうだ。

冒頭、アリス・ケッペルが「私たちは似ているわ」と言うけれど、どこが似てるのか全然わからなかった。
それはもう、『華やかなりし日々』でゆうひさんがすみ花に言う「君と僕は似ている」以上に意味がわからなかった。

あと、さおたさん(ワトキン)が仙名ちゃん(アリス)にも僕たちは似ているみたいなことを言うんだが、2人がデキちゃってることを思うと、田渕センセイにとって「僕と君は似ている」はやはり恋愛フラグの重要な要素らしい。

サイトーくんといい原田センセイといい田渕センセイといい…このセリフ、都合よすぎ。

●主人公の設定に具体性がない。

これも冒頭、コナン・ドイルがナイジェルを評して「彼には独特のスタイルがある」というが、どんなスタイルがあったのか、具体的なエピソードでみえなかった。
女王陛下を前にしても飄々としてたところ……?

エリザベス女王の評する「まるで雑音のようです」もピンとこない。
だって、ナイジェルは巻き込まれ型の主人公だから。
彼が望んで「雑音」を出したわけじゃないでしょう。

●細かいかもしんないけど、仮にも記者のサラが「記事を書くのに煮詰まっちゃって」と言うのはいただけない。
それを言うなら「行き詰まっちゃって」だな。

●文句だけじゃなんなので。

出演者みんなに歌を、出番を、という気概は買った。
サイトーくん並みの気づかい様である。(あるいは大野くんか)
ほんと、いろんな人に見せ場があって、これぞ若手のためのバウ公演! という感じでした。
どこの誰とは言わないが、出演者の8割がモブ、とか泣けるもんなぁ。

あと、テンポは良かったので楽しく観れた。

●で、現状の田渕センセイ評。

作品に腹は立たなかったしわりと楽しかったけど、けっこう破綻したものを出してくる人だなぁ…。
でも破綻したものを出してくるわりに表面上はスルーっとしてて熱が感じられないあたりが原田センセイ似だと思ったゆえんなんだわ。(決してサイトーくん寄りではない)

そして、ヲタク的な熱気がなかったから、私のツボにこなかったんだと思う。

もっとも、私のツボにくるのこないのは、世間的な評価とは無関係のことです。
が、今後かれに期待するかというと、今の段階では特段はしないなぁ。
いつか化けることを祈りつつ…。

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