『風の次郎吉 ―大江戸夜飛翔―』感想・12

花組,専科

・きらりちゃん演じる堀田けい様は剣の修行も欠かさない、男勝りな女の子。
思い込みが激しく猪突猛進、舞台を引っ掻き回します。
パワフルで、つっこみどころ満載で、大迷惑で、でもなんか可愛かった。

金さんと出会って恋に落ちた後、三味線のシーンが特にすごい。
調子っぱずれの三味線と唄を堂々と。
唄ってるのがきらりちゃんなもので、うっかり素なのか演技なのか考えてしまいました。すいません。
(『ファントム』のソレリのインパクトが強すぎてな……)

立ち回りのシーンでは、「夫を守るのが妻の役目!」と金さんの助太刀をします。
男振りのいい金さんは女に不自由はしたことないだろうけれど、自分を守ってくれる女の子に出会ったことは皆無だろうからなー。
ときめいちゃったんだな。

・るなちゃんの佐久間光江門は上に逆らえず下には好き放題されるという悲しさとおかしさを好演。
ああもうあんなにキレイなのに!(顔、関係ない)
切なくて愛おしいわ!

最後の、かぐ庵での「やっちゃってー!」がすごく好き。
小心者が精いっぱい清水の舞台から飛び降りた! って感じで。

・「スケベ蘭方医」は通し役でなかなかおいしかった。
が、役名を一度もまともに言われてないような……?

綺城くんの錦吾郎かな。

・役名「湯女のきわ」って、舞台を観るまではヤバくないのかとどきどきしました。
湯女ってお風呂屋さんのサービス業だけど、中には性的なものもあったから……。
この舞台においては「ただのお風呂好きな女の子」でした。

ベタベタにベタなことをやる「OH! Edo Night Show」にはお色気お風呂シーンも。
基本的には肩から上しか見えませんが、胴体部分にちゃんとタオルかなにかを巻いてるのは見えました。

次郎吉がきわから情報を得るべくお風呂を焚くんだけど、隣の湯船のいぶきさんが小うるさく注文をつけてきます。
熱いのぬるいのって。
それに対する次郎吉の対応がすごくぞんざいで、それが笑いどころでもあるんだけど、「こっちは重要な話をしてんだよ!」でもありつつ、「若くて可愛い子と話してんのに邪魔すんじゃねぇよ、おばさん!」的でもあります。
(あ、みっちゃん本人や次郎吉がどっちの意味でぞんざいにしてるのかは知らん)

それが地味~に響くんだな。
私もおばさんだから。
ていうか、客席の大半は「おばさん」ですわ。

キレた次郎吉が怒鳴った勢いでいぶきさんのカラダを見てしまって、「どこ見てんのよ!」と殴られるのがその場のオチ。

たしか江戸時代は男女混浴だったし、ハダカにたいした抵抗感もなかったと思いますが、このへんは「時代劇」ですから……。

・お花ちゃんが出してくる「北翔」って、ほんとにあるお酒なんですね。 →コレ
みっちゃんトップ就任の報が流れたとき、ファンの方々はこれでお祝いされたのかしら。

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