『Victorian Jazz』感想・2
●主人公はだいもんのナイジェルかもしれないけど、主役は一花のヴィクトリア女王だなと…。
どうみても話の主筋が親子の確執と和解だもの。
一花さまはすごかった。
歌うまいし演技うまいし迫力あるし。
悩みつつ女王の威厳を充たしていた。
最後に息子・バーティのゆずかれーちゃんと心を通わせる場面では、こちらの心があたたまりそうないい空気感だった。
しかし「あなたはそのままでいいのよ。あなたはあなたのままでいつか王になりなさい」と言うセリフにはつっこまざるを得なかった。
息子をまるごと認めているような、母親としての愛を感じるセリフだけど、あんな甘ったれで考えなしの息子がそのまま王になったら困るのはイギリス国民である。
今すぐ帝王学をほどこしていただきたい。
●公演全体に歌がうまくて耳に優しかった。
主演のだいもんは言うまでもなく、2番手のまゆぞうもうまいし、一花さまもいい、仙名ちゃんももちろんうまい。
べーちゃんは上手いわけじゃないけど声がきれいだからごまかされてしまう。
中でも「これは!」と思ったのはネコちゃん。
女王としての日課に追われるヴィクトリア女王の歌を引きついで歌うんだけど、ものすごく器用なんだよね。
途中で調子が変わるのもなんのそのだ。
よくもまぁ、あんなに声音やテンポを変えて歌えるものだ……。
バッキンガム宮殿でナイジェルが手紙の捜査を命じられたあとに、だいもん・まゆぞう・一花・ネコちゃんの4人で歌うところも迫力。
すごくむつかしそうなんだけどこの4人だと大丈夫なのね。
歌ウマが揃ってるっていいなぁ。
1幕最後の歌もすごい。
でもなに歌ってんのかわかんないまま終わった……。
いろんな人のいろんな歌詞が交錯するからさ。
●音楽がすごくいいなと思ったら斉藤恒芳氏であった。
かっこいいはずだわ。
フィナーレの、だいもんとべーちゃんが組むあたりの音楽はファフナーっぽいなとは思ってたんだよ。
●芝居も全体にうまかった。
だいもん上手い、べーちゃん上手い、まゆぞうはコメディエンヌ、一花さま迫力、仙名ちゃんも憎めない困ったちゃん。
おかげで若手バウとは思えないほどのクオリティだった。
そんな中、「ああ、若手バウだった…」とある意味現実に戻してくれるゆずかれーちゃん。
学年その他を考えればド下手だとまでは思わないけど、まわりが役者揃いなだけにどうしても比較されてしまうのよ。
うん、彼の顔と華と色気は貴重です。
財産です。
このまま大事に育ててほしい。
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