雪組大劇場公演『ROBIN THE HERO』初日を観てきました。
3月12日(水)13時の回です。
作・演出は斎藤センセイ。
『ROBIN THE HERO』雑感
サイトーくんらしいノリもありつつ、お伽話っぽくて可愛いコメディタッチの冒険活劇でした。
あさあやの痴話喧嘩がめちゃくちゃかわいいんですよね。
2人の中身(精神)が入れ替わるところは、ほんと2人ともお芝居が上手い。
せおっち=ガイの少し陰のある悪役ぶりも、あがちん=ウィルの男らしさもとても似合ってました。
全体的な色味としては、まぁさま時代に宙組でやってた『Shakespeare』(生田先生の)っぽいです。
でも味付けは現代的……というか、サイトーくんぽさ全開です。
あーさロビンの何度も放たれる心の声とか、夢白ちゃんのお転婆プリンセス☆彡とか、猫耳(?)のウィッチとか、僕っ娘・スカーレットのまるちゃんとか、愛すみれちゃんの「夢じゃない、ウルトラソウッッ!」でかけてくる魔術とか。
いい笑いどころと悪ノリのギリギリの線を攻めてくるぜ……!
客席降り演出
ちょこちょこと客席や銀橋の階段を使った演出がありましたね。
具体的な箇所は覚えてないんですが、あーさ・夢白ちゃんがセンター通路につながる銀橋の階段(41番と61番の横)を2回くらい使ってたような。
あと、あーさロビンが上手の通路(81番の横)を走り抜ける演出もありましたね。
このとき舞台にはたくさん人がいるし、客席でなにか演技するわけでもないので2階席でもあまり気にしなくていいと思います。
とは言われても、見えないと気になるとは思いますが……。
脚本
今回、ストーリーはけっこう複雑な気がします。
なにせ登場人物が多くて、しかも王室の人間関係やら従属関係やらがある上に、裏切者ありスパイありなので。
少なくとも私には王室の人間関係を把握するのが難しかったぞ。
『エリザベート』などとちがって、あまりイングランドその他の知識がないからかもしれない。なにせ「カスティーリャってどこだっけ?」と思ってたくらいだし(のちのスペインです)。
そのわりに、ちゃんと人間関係やらなんやらをきちんと描けてて、人物も書き割り感はなくて。
さすがサイトー先生、プロだぜ、ベテランだぜと上から目線で感心したのでした。
卒業と組替えの餞別
この公演をもって宝塚を卒業する人が1名(あすくん)、宙組への組替えが決まっている人が2名(愛すみれちゃんとかのゆり)います。
それぞれ見せ場をちゃんと作っていて、こういうのも愛だなと。
かのゆり=ロクスレイ卿は、舞台しょっぱなにあがちんに抱かれながら死んでセリ下がる。
ロクスレイ卿は出番は少ないけど、実は……という見せ場も後半にあります。
かのゆりの大人っぽさと色気が生きます。
愛すみれちゃん=ミス・オフィーリアは色濃くコミカルにうさんくさい魔術師ぶり。
長い呪文の歌もあります。
そして格別だったのがあすくんの扱い。
クソ坊主と言われる修道士・タック・ベリー役ですが、1曲歌いながら銀橋を渡り切る。
長く雪の歌唱力と芝居を支えてきた人にふさわしい餞別です。
そして「クソ坊主」では終わらないんですよね。
ネタバレは避けますが、あすくんの演技力あっての愛のある役でした。
コメント