
雪組シアター・ドラマシティ公演「『FORMOSA!!(フォルモサ)』-空想世界の歩き方-」の感想の続き。
ペンブローク卿/かのゆり
コーヒーハウスのシーン冒頭でのかのゆりが最高すぎる。
あの視線で決めて、あとは舞台を横切るだけなんだぜ。なのに、怪しくて妖しい。
あ、もちろんステッキでかせきょーを好き放題したり顔をつかんで「支払いが終わるまでは逃げるなよ」って言ってるところも最高です。
支払いが終わったら逃げてもいいのか。
金でいうことを聞かせるのが快感なのか。
イネスがサルマナザールにご執心なのを知りつつ、別にいいわ的な反応をするのも好きである。
ここで嫉妬するようでは器が小さすぎるか。
ペンブローク卿は[ロンドン裏社会の首領]だけあって、余裕がおありである。大物はそうでなくちゃねぇ。
色っぽい男役もかっこいい男役も各組にいるけど、こういうヤバくて胡散臭い色気をたれ流せる人って貴重なのよ。
(それでいて中の人はものすごく善人くさいし)
かのゆりが宙組に行ってしまうのが惜しい。
メイベル/星沢さん
星沢さん、めちゃくちゃ可愛かったっっ!
ヒロイン・シェリル(はばまい)の妹役です。
妹ちゃんのほうが長身パターン。(でもわりとあるよね)
面長美人であがちんと並びの絵面がぜったい合うと思うんだよなぁ。
姉妹でコーヒーハウスの制服を着て、でもそれなりのいいところの子だから露出は控えめなのね。
ちゃんと下に1枚着てるし。
でも「お友だちが働いてる」って、どういう友達なんだ。
シェリルは好奇心旺盛だから、身分違いやお育ちがややこしいお友達がいるのかもしれない。
エドモンド・ハレー/よっしー
よっしーが演じた天文学者ハレーはハレー彗星を見つけたハレーだよね?
最後のほうで、サルマナザールが滔々と嘘を語り、ハレーが嘘を暴こうとし質問を重ね、サルマナザールがさらに詭弁を弄し……というところはスリリングだった。
空想の世界に生きるサルマナザールは歴史や民族的なところは妄想で作り上げられるけれど、数字の正確さが必要となる科学の分野までは及ばないのね。解決の糸口として純粋に面白かった。
追い詰められるサルマナザールが気の毒でもあるけど、「ジャン」にとってはそれが救いでもあったはずだ。
最後に手回しよく、ジャンのこともイネスのことも逃がしてるのができる男すぎる。
他いろいろ
・バーメイドの女の子たちがみんな可愛かった。
女性は入れない男性の社交場ですよね。
裏社会にも近い、胡乱な人たちも出入りする場所。
・バーメイドのセンターはみちちゃん。
可愛い、歌うまい、脚キレイ。
『フォルモサ誌』の空想上の皇妃とはまた違った毒のある美しさ。
・コーヒーハウスの水月くん。
キレイな顔に長い金髪、細い淵のメガネ、十字架、神父くずれの聖職者という設定が多いよ!
コーヒーハウスの女の子たち(バーメイド)といっしょに踊りたいのにうまくいかず、女慣れしてない感がアリアリ。
そしてあがちんが登場して女の子たちと色っぽく絡んでいるところでは指の隙間から覗いているという可愛らしさである。
そしてピンクの服の男役の子に迫られてヤダヤダしているのである。
その後も十字を切ったり、つい見てしまう面白さだった。
・バーではさんちゃんもメガネで登場。
メリアンダノーを演じる都合上、色が白いので退廃的な美しさがある。
・がーふー演じる作家・レミュエルについて。
ジャン(あがちん)が、ジョナサン・スウィフトの『ガリヴァー旅行記』のゴーストライターをしたと思わせるラストでした。
『ガリヴァー旅行記』=『外科医にして諸船の船長レミュエル・ガリヴァーによる世界の諸僻地への四部から成る旅行記』で、医師・レミュエル・ガリヴァーの筆を装って出版した作品なんですよね。
こういう仕込み、好きだわー。
・準路線格ともいうべきはいちゃん。
司祭のダマルフィです。かっこよかった。
主教が主教なんでいろいろ大変だろうなぁ(笑)。
・つーちゃんはロンドン教会の主教。
コミカルなところを担当。
手慣れてるなぁ。
・アン女王のゆきのと、女王の女官・りなくるのサラもツボだった。
女官は貴族の女性だし、ただ従い命令を聞くだけのポジションではない。
女王を補佐しつつもそれにとどまらない強さと怖さがある。
・フィナーレはさんちゃん・はいちゃん⇒かせきょ⇒あがちん⇒デュエダンの流れだったはず。
あがちんとはばまいのデュエットダンスの赤い服は台湾風? 婚礼衣装みたいでした。
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