『翼ある人びと』感想・3
きちんと整理したいが大変なので、とりあえずとりとめなく、思いつくままに書く。
●クララの描き方がよかった。
宝塚にしては珍しいヒロイン像だと思う。
父や夫などの庇護者を失ったとたん娼婦に身を落とすのがよくあるパターン。
が、クララはそうはならない。
ピアノで身を立てる。
また家族を養うために働くというのもよくあるパターンだけれど(だいたいはダンサーとか娼婦とかね)、クララはそれにとどまらず、ブラームスを支援する。
「養われる」「養う」の関係ではなく、支援者という形が珍しい。
●ウエクミは柴田センセイっぽいなぁ。
そう思う理由の第一は言葉の上品さ、かな。
●秋の気配を濃厚に漂わせたプロローグから猥雑な酒場への転換が見事。
ここに限らず、どの場面も場のつなぎ方が素晴らしかった。
ダレないのね。
●フランツ・リストの愛ちゃんの登場の仕方が派手で好き。
派手なだけな敵役かと思いきや、なにげに人情も出してきたりする。
クララとの過去はほぼ語られないけど、接し方に渦巻く感情が見てとれた。
●あっきーはニヤケ顔のときとシリアスな顔のときは別人レベルでどきっとする。
ヨーゼフ・ヨアヒムもはじめのほうは『W.M.W』のネッドそのままに見えて、「せっかくなのに、また似たような役?」と思ってたらとんでもなかった。
ヨーゼフ・ヨアヒムは切ないわ……。
好きだからこそ、できない約束はしないって……。
約束守れよ、という気もするが、性分はどうにもならないからねぇ。
あっきーはヒットが続きますな。
●でもあっきーとまぁくんが殴り合うところは、もうちょっとなんか……。
「ぜってー当たってないぞ」とつっこみながら観てた。
実際に当たったら危険だからそれは避けてほしいんだけど、それでももうちょっとリアリティのある距離感を取れないだろうか。
※一部訂正しました。
ミスのご指摘、ありがとうございました。※
●社交界の男たちがクララを「あの美貌、あの肩、たまらないね」(セリフはうろ覚え)と品定めする場面、彼らに眉をひそめるべきか、中指を立てるべきか、親指を立てるべきか、握手を求めるべきか悩む。
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