『ほんものの魔法使』を見たんだ・1

雪組公演感想,雪組

『ほんものの魔法使』

あーさ主演の雪組バウホール公演『ほんものの魔法使』をライブ配信で見ました。
5月30日(日)15時開演です。

まずは、終演後のあーさの発表について。
Blu-ray&DVDの発売決定おめでとーーーーーーー!!!

Blu-ray出るってことは、2番手(格)ってことですよね?
これまでの通例からすると。
2番手もおめでとーーーーーーー!!!です。

いや、咲ちゃんトップお披露目の大劇場公演『CITY HUNTER』でのポスターと配役からして新2番手じゃなきゃなんなんだって話ではあったんですが(強い人の組替えもなかったし)、でも「信じていいの……かな……?」という気持ちもあったんですよね。
これは「あーさが2番手になるわけない」という気持ちではなくて、勝手に期待してそれが覆されたら自分の気持ちが収まらないから。自己防衛です。

でも今日のBlu-ray発売発表で、アタシ信じていいのね!?嬉しいわ!!という気持ちになってます。
ああよかったよかった。

で、あーさが雪組2番手として主演した『ほんものの魔法使』ですが。
えっと……あの……。

原作はよかったです。
あーさもよかったです。

が、舞台全体でとなると、うーむ……というのが今の気持ちです。

魔術師さんたちはキャラの立ったコスプレしてて楽しかったし、あーさはきれいだったし、あがちんの犬はめちゃくちゃ可愛かったし、ひまりちゃんも可愛くて上手かったし、大抜擢のかせきょー(研2!!)も大抜擢に応えたいい出来だったし。

でも、なんか話の流れがタルくてなぁ。
特に第1幕は「いつ話が盛り上がるんだろう……」と思って見てました。
第2幕はトンチキ要素が入ってくるのでわりと楽しめます。
(原作はファンタジィの名作なのにトンチキかよ)
蜂さんの歌とか、ものすごくキムシンでした。『王家に捧ぐ歌』の女官たちを思い出したわ。
別のシーンで『蘭陵王』を思い出すところもあったけど、音楽のせいかもしれない。

蜂とかウシとかニワトリとかついでに蝶とか、ファミリーミュージカル感がすごかったですね。
ファミリーミュージカル、ろくに観たことないからイメージだけど。
この「うわー、キムシン的ー(笑)」ってウケてるとどすーんと重いものを落とされるのまでがキムシンです。

あーさのアダムについて。
「ほんものの魔法使」である彼は、「種も仕掛けもある」魔術師のサガとして常に物事の裏側を考えているマジェイアの人々と違い、とてもピュアである。
異邦人であるかれは政治的な闘争とも無縁だから人を陥れたりひっそりと探りを入れたりもしない。
「この世は魔法に充ち溢れている」という言葉どおり、あらゆる命に不思議を感じながら生きている。

ピュアさと、物事の核心をつかむ聡明さと、若々しくもどこか老成して見える達観した雰囲気のあるアダム。
「ジャニオタホイホイ」と呼ばれる美貌の主ながら、堅実な月組育ちでいろいろあって研13のあーさならではの底力でみせた役でした。
ともすると存在感が薄くなるし、セリフも薄っぺらくなると思うんだ、アダムという役は。

歌もうまくなってましたよね。
声がのびるようになって、素敵でした。

2度目の審査のときの衣装の華やかさは目の保養。
美しい人が美しい衣装を着てるっていいわ。

そしてフィナーレの黒燕尾も。
あーさは体格に恵まれてるわけでも超ダンサーなわけでもないけど、それでも積み重ねた経験はある。
私があーさに感じるのは、どこか燻したような光。あれだけ華やかな恵まれた美貌であるにもかかわらず。
あーさの放つにぶい色合いが心を落ち着かせてくれて、私は好きです。

16