『華詩集』を見たんだ・4

花組公演感想,花組

「約束」~「はいから極道」

・華ちゃんとみねかくんのデュエットは『邪馬台国の風』「約束」。

『邪馬台国の風』って先代トップみりおにおいてはなかったことにされてるイメージなんですが(笑)、華ちゃんのライブでは封印されてないんですね。
華ちゃんにとっては新人公演初ヒロインを演じた大切な公演です。

・続いて『CASANOVA』の「馬車にて」、いわゆる「馬車ラップ」です。

ホッティーがみりお、みねかくんがマイティー、華ちゃんが仙名ちゃん、はなこちゃんがべーちゃんの役回りです。
はなこちゃんは女装ではなく、ちゃんと男役のままやってます。
女装してくれても面白かったけど(笑)、男役として華ちゃんの付き人ポジやってるのもかっこよかったですね。
マイティーポジのみねかくんとはもちろん恋に落ちることなく、相棒みたいな感じでした。

・『CASANOVA』「限りある時を、共に」は華ちゃんとホッティ。華ちゃん娘1就任直前の新公主演コンビですね。
「戻ることない今をつなぎ 人はみな生きてている 一つ一つの瞬間を永遠に変えながら」っていい歌詞だなぁ。

華ちゃんと客席に投げキッスしてはけるホッティー。

・「女ったらし~!」とぷんすかしての『はいからさんが通る』「はいから極道」、もちろん華ちゃんのソロです。

2番は華ちゃんのご卒業仕様で新たに歌詞ができてました。
小柳センセイの愛だわ……!

「乙女の心はエゴイスト 未来を夢見てほくそ笑む」
「とにかく走り出さなけりゃ」
と役の衣装で。

はなこちゃんは伊集院少尉の帽子をかぶって登場。
客席から万雷の拍手が贈られました。
みんな幻の新公主演を知ってるから。

みねかくんはすみれ組のはっぴ、ホッティーは編集部の鉢巻きをしてました。
それらはもちろん本公演の衣装の一部ですね。懐かしいなぁ。

トーク③

この同期トークでははなこちゃんの新人公演中止の話でした。
涙なしでは聞けないものです。

一之瀬「正直悔しい思いは残っているのですが、舞台に立つことで恩返ししていき、お客様からの愛を100倍にも1000倍にもしていく気持ちで舞台を務めていく」

華「今わいてきたかもしれないです、(辞める)実感が。
26日から公演が中止になってしまい、お客様のいない状態での千秋楽が悲しかったり悔しかったりという気持ちもあるのですが、これまでの宝塚の歴史を思うと、たとえば戦時中、たとえば大震災のようにエンターテインメント界は危機にさらされてきた。
これからの宝塚の未来につなげていける、なにがあっても宝塚の歴史をつないでいきたいという想いでいる。
去年の『はいからさんが通る』の再開、ずっと待っていて下さる、愛していて下さるお客様がいるからタカラヅカが続いてきたんだなと、お客様には感謝の気持ちでいっぱいです。これからも愛し続けていただけたら」

新公中止についてはそりゃ悔しいよね。
でも悔しいものを悔しいと言ってもらえたことで、こちら側にも気持ちが落ち着くものがあります。
なぜか「わかってもらえた」という気持ちになるんですよね。

華ちゃんのコメントには、さすがはトップ娘役だなと思います。
今だけでなく、過去にも未来にも思いを馳せられる。
宝塚の歴史の中にいる自分たち、つないでいく存在としての自分たちの使命を感じているようです。

「Endless Love」

「今旅立つ前にすべて分かち合いたい 手を取ってかけぬけたあの日々 けして忘れない マイエンドレスラブ」と歌う「Endless Love」という曲を最後に。

華ちゃんのソロから⇒華ちゃん・みねかくん・はなこちゃん・ホッティーへとつないでいきます。
男役さんたちは水色の軍服に白いコートを肩掛け。
軍服にコートの肩掛けってなんであんなにかっこいいんだろう。

ご挨拶

最後のご挨拶に出てきた華ちゃんは、白のオーガンジーの花の模様のロングドレス姿。
ストレートロングの金髪のカツラで、髪に花びらをかざっていました。

この時点で時間が押し押しになっていて、ゆっくりとトークをという状態ではありませんでした。
本来なら華ちゃんとそれぞれが応答もあったんでしょうが、この回は各自があいさつし、その後に早口で華ちゃんが出演者についてコメントするという形でした。
夜8時には完全に終演しないといけない、という事情があったんですよね。
(こんなときでなければ、退団前のディナーショーなんて終演が1時間以上延びるトップさんだっていたというのに……まさおとか)

一之瀬「受験生のころから宝塚歌劇団は家族みたいなところだなと感じていたのを思い出した2日間だった」

帆純「ライブ配信のみになったとき緊張しないのかなと思ったら、びっくりするくらい緊張した。今日はお客様がいると安心した。
華ちゃんの志の強さに助けられてきた。
『宝塚は永遠なれ』という志を華ちゃんの退団後も自分に叩き込んで頑張っていきたい」

峰果「舞台とはお客様がいないと完成しないものだと痛感した。
華ちゃんのスペシャルライブを支えさせていただいたのもかけがえのない経験」

華ちゃんからはなこちゃんについて
「はなこちゃんは、ほんとうに下級生のときからずっと踏ん張らなきゃいけない公演で2人とか、ずっとそばで支えてくれて、はなこちゃんの志や優しさに励まされてきた」
「芯の強さと美しさ」という言葉も出てきました。

ホッティーについて
「帆純さんは1個上さんで私の想いを受け止めてくださったり、濃い時間を過ごさせてもらった。
『CASANOVA』新公はあれ以上の青春はない。
帆純さんがぶつかりげいこのような、『華ちゃんが心のままにやろう!』と稽古したときがあって、心を解放してお芝居をさせていただいて」

峰果くんについて
「本当に心強い、こんなになんでもできる方なのに、こんな未熟なわたくしにも教えて下さる。心を受け止めてくださる。お心の広さに助けられました」

アンコール

華ちゃんソロのアンコール曲は「清く正しく美しく」でした。
珍しい選曲だけれど、とても華ちゃんらしくて似合っていました。

自分を押し出すというよりも、宝塚の、花組のトップ娘役を全うしようとしているかのよう。
宝塚の歴史の中の1人として自分はある、というポジションへの自覚を感じました。

「清く――」を歌う華ちゃんは聖女のようでした。
「乙女の像」とかを思い出します。
華ちゃんのトップ娘役としての資質は、この聖女のような清い雰囲気にあるんですよね。

ライブ全体を通じてトップ娘役のMSとしては珍しい選曲が多かったですが、とても楽しかったです。
華ちゃんがどの衣装もどのカツラも似合ってたし、トークでは普段の(?)はわはわした雰囲気ではないところも見られて。
こういうのが娘役主演公演の醍醐味だよね。

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