『紅鬼物語』感想・2

5月25日(日)12:30に観てきた劇団☆新感線『紅鬼物語(あかおにものがたり)』の感想の続き。
やっぱり主にかれーちゃんの話。

かれーちゃんの「紅子」について

『紅鬼物語』はどこまでもかれーちゃんてんこ盛り公演でした。

「紅鬼」というタイトルから想像される、かれーちゃんお得意の「人外」を始めとして、子を持つ母親らしさ、さらに結婚前の女性らしさも見せてくれる。
そして踊るだけでなく立ち回りやキレのよい殺陣まで。
振れ幅のある芝居はもちろん歌もあるし、ふんだんな客席降りもあります。サービスというか、新感線のエンタメ性ですね。

紅子は、なにせ演じるのがかれーちゃんなのでビジュアルはザ・宝塚の男役で、作中でも「凛々しい」と表現される。
つい、ふふってなったわ。そう、凛々しいんだよ。ふんわりした甘やかさはないわな。

ビジュアルが凛々しすぎる紅子さんだし、血を舐めてる(啜ってる?)ところは「か、かれーちゃん…!」って感じ。
眼の色が変わる。いきなり鬼の性を出して、また隠して……。
表情だけでなく、手をはじめとする身体での表現もすごい。
人ならざるものを顕現できるのは、かれーちゃんの表現力と身体能力のたまものだ。

それでいて、母親として、また女性としての表現は巧みで。
柔らかさとか愛とかをきちんと感じるんだよね。さすがの演技力。
ちょっと六条御息所を思い出した。

娘・藤を連れて舞う場面や、村人とのやりとりでのしっとりした女性ぶり、そして蒼との出会いの場面では着物というよりはドレスに近い衣装。
こんなに、いろんなかれーちゃんを詰め込んでくれるのか!
ありがたやありがたや。

殺陣は予想の3倍くらいありましたね。終わった…と思ったらまた復活するっていう。
男性キャストと同じ量を、同じスピードでこなすかれーちゃん、ヤバすぎるわ。
しかも3時間半の公演の終わり際にどかどか詰め込まれているっていうね。

その他いろいろ(まとめちゃってすいません)

紅子の夫で平安貴族(武者)の源蒼・鈴木拡樹さん。
三日月宗近の人か! だから「じじくさい」設定なのか!
静かな演技が素敵でした。

村長役の粟根まこと、こっわぁ!!!!
(この方はなにか別の舞台で観たことがある気がする……たぶん昔すぎて思い出せないけど)
鬼より人間のが怖いやつね。

喜矢武さん演じる金之助の衣装に「金」の字が入ってる。
役名がわかりやすいけどなんでこの人だけ……と思ってたんですが、中の人がゴールデンボンバーだからか。
鬼退治で有名な坂田金時モチーフでもあるだろうけど。

蒼と紅子の娘が「藤」で紫。
藤と恋仲になるのが桃。

桃千代が、蒼と紅が……して(ネタばれ防止)藤を託されたときの……な行動(再度ネタバレ防止)が「お前――――!!!」案件でしたね。
でもわからんでもないのよ。
若造が担うには重すぎる課題なのよ、逃げたくもなるわよ。

お、おかーさーーーーーーん!!!!
父上も…… (´;ω;`)
でも2人が子どもを願った先が「第六天魔王」(だったっけ)とかだからなぁ。なんつうところに祈るんだ。そりゃ鬼が生まれるってもんよ。

2幕最初は甘葛(あまづら)と大麻の歌。
なにこのテンション(笑)と思って笑ってると、油断も隙もねえ。
1幕の村長の「麻を育ててるから着物を作れる」がここに生きてくるわけだ。

栃ノ木、けっこう紅子のこと好きだよね?
好きだから、肉を食べない=弱っていく紅子が許せないんだよね。

何回やるんだ客席降り。
2階席だとけっこうさみしい……?

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