『冬霞の巴里』感想・2

2022-04-01花組公演感想,花組

花組シアター・ドラマシティ公演『冬霞の巴里』2回目を観てきました。
2回目見ると「あれはこれの伏線だったのか」とか「この謎の人、ここで説明されてたのね」とかパズルがきちっとはまる感じで気持ちいいですね。
初見でもたぶんわかるようには作られてるのですが、なかなか脳の整理が追いつかないのです。

※これから腐った話が始まるので苦手な方は注意※

さて、この作品の主演はひとこちゃん、2番手はほのかちゃん。
良いほのひとでした。
ていうか、ほのかちゃんの攻め力が強すぎてめっちゃ楽しかったです。(もちろん、BL的な意味で)

ほのかちゃん演じるヴァランタンはアナーキーな人なんですが、最初はひとこオクターヴを敵とみなしています。
もちろん敵とみなしてるのもヴァランタンの身の上とオクターヴの出自によるもので致し方ないところ。
なんですが、ひとこを蹴る、殴るというバイオレンスな描写があり、線の細いひとこちゃんとがっしりしたほのかちゃんにかかるとそりゃーもう、ええ、BLっつか大昔の殺伐系JUNE的な血が滾りますね(笑)。
いやぁ似合う似合う、殺伐系JUNE大好き。

ほのかのイっちゃった目がいいいんですよ。
メイクも相まってヤベェなこれ。
元が美人だからゴスいメイクで凄い表情しててもキレイだし。
めちゃくちゃたまらんですわ。

大詰めの、ほのかヴァランタンが彼の復讐を遂げようとするところも見物です。

ほのかヴァランタンさんはおそらく作・演出の意向で背景を説明しきってないところがあると思うんですが、とても想像が刺激される人物なんですよ。

彼、アナーキストで底辺なところに住んでて目つきもやることも凄まじいんですが、言葉遣いだけは妙にキレイなんですよね。

「俺にはもう失うものなんて何もないんだよ」でどれだけのものを喪ったのかとか、「あいつは俺と違って真面目なんだから大人しく学生やってればよかったんだよ」にヴァランタンにも学生だった過去があるのかなとか。

ヴァランタンはアナーキストでブルジョワを憎んではいても、そこそこの家の出身なのかなとか想像してしまうわけです。
少なくとも子どもの教育にはそれなりに力を入れていそうなお家で育っているのではないかと。
幸せだった過去を持っていて、だからこそそれを喪ってのアナーキストとしての現在がある。

ひとこオクターヴがらいとミッシェルを羨むように、ヴァランタンにも同じようなところがあるのではないかと思わずにいられません。

あ、オクターヴとヴァランタンの出会いの場面でも腐的に気になるところがありました。

ヴァランタンがアンブル(美咲ちゃん)に「(オクターヴのひとこと)似てない姉弟だな」と言ったとき、アンブルは「背中の同じところにホクロがあるの、お見せしましょうか」と返す。
ヴァランタンは「きみのは勘弁だ」っていうことは、オクターヴのは見たいってことかと……!

いかんいかん。私の中でほのかちゃんは総攻め認定なのでついなんでも変な方向に転換してしまいますわ。

あと、フィナーレも素晴らしかったです。
黒燕尾と赤いベルベットのドレスでのタンゴがメインで、さまざまなカップルや組み合わせでのダンスが続きます。
きちんとした流れは覚えていないのですが、こんな感じの場面がありました。

・ほのかメインの男役5人+娘役5人
・ほのか・つかさ&男役と娘役のカップル
・ゆりちゃんをセンターにしぃちゃんとつかさとで取り合うようなダンスからの群舞
・ひとこ・美咲デュエダン
・ひとこ+ほのか・つかさ・らいと・だいやが次々組んで、最後に残ったひとこのダンスソロ

男女のカップルのセンターにいるほのか・つかさってどんな組み合わせだよ!!!
さっきまで殺そうとやりあってた相手やろ!!
ごめん、ありがとう、美味しい!!!!

ちなみに一応つかさが女役ポジかな。

ひとこちゃんを筆頭にした男役5人の場面では、1人ずつ少しひとこと絡みます。
そのときにほのかはひとこの脚を撫で上げる振りがあって脳みそがパーーーーーーーンとなりました。
ちょっと女役っぽい感じでね、でも思いっきり左属性のほのかちゃんなので、あえて右っぽいことやってるのも彼の余裕のなせるわざかな……、とかわけわからんことを思ってました。
ひとこちゃんも思いっきり左属性の人だと思うんですけどね、うん、ほのかが総攻めすぎるのよ。

という感じで、芝居もフィナーレも美味しかったです。
さっしーありがとう。
花組ありがとう。

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