『冬霞の巴里』感想・5

花組公演感想,花組

まだ終わらない『冬霞の巴里』の話。
(ヴァ×シル話ばっかりしててまだアンブルとかクロエとかエルミーヌとかにほぼ触れられていないという……業って怖いわね)

さっしー=指田珠子先生って怖いよね。
どういう人なんだろう。

と最近、姉と何度か語ってまして。

なにが怖いって、「観客が気づかなくてもいい」と放っておいているところ。
分かる人だけ分かればいいよって。
これもヴァランタンとシルヴァンみたいな、アレな話に起因しているのですが。

ヴァランタンとシルヴァンの関係は、少なくとも私の中では確定してるんですよね。その、JUNE的、ヤオイ的な方面で。
実際は違うかもしれないーーーけど、95%「そう」だと思う。肉体的な関係の有無は知らないけど、精神的にはそうだよね。
ヴァランタンさんには、オクターヴ登場時の妙な距離感も気になるし。

で、ヴァランタンとシルヴァンの2人の関係って別に明言はしてないんですよ。
匂わせてるけど、ごくうっすら、気づかない人は気づかない。私も初見ではわからなかった。
もちろん姉も「そんなことまったく思わんかったわ!」と笑ってた。(私のBL本読んでたくせに腐じゃなかったと知ってびっくりよ)

もちろんそういう方面の関係ってセンシティヴなものだし、苦手な人には本当に苦手なものだと思う。
だからあえて描かないというのは「正しい」。
関係性に気づかなくても物語はちゃんと理解できる。
いろんな人に親切。

わからなくてもきちんと楽しめる作品を作ったうえで、さらに深く楽しめる余地を作っておくというあたりが、

指田先生、有能~~~~~!!
さっしー、マジで神じゃないっすかああああーーーーー!!!!

とジタバタせずにいられないところであります。

でも「まぁ気づかれなくてもいいか」とばかりに、くだくだ説明せずぽーんと謎を放置できるのが「怖!!」な要素。
創作者って多かれ少なかれ「正解はこうだから」と説明したくなるもんじゃないのか?
作中でいろいろと解釈のエサを撒いておいて、でも「これが真相だった」というのが芝居の最後にはわかるようにしておくのがセオリーというか。

でもさっしーの「冬霞」はそうでもなくて、オクターヴとアンブルの関係性にしても、ヴァレリー家の親子関係にしても、真実は霧の中ならぬ霞の中。ヴァランタンのお育ちもね。
登場人物たちや物語はどのようにでも取れる。
解釈を観客に投げておいて、真相は霞にまぎれて構わないようだ。

(とか言って、ヴァ×シルは往年の腐ったお姉さまたちはざわざわしてた印象なので、わりとわかりやすかったのかもしれん)
(Blu-ray、うちの姉も買うとか言ってて、私も買うつもりでなんなのこの姉妹。ご贔屓さん的な人は出てないっつうのに)
(あと最近「あすかちゃんに鞍替えしちゃいなよお、一緒に花組観ようぜえええ」と姉が誘ってきて笑う。私は全組観るから誰がご贔屓でも変わらんのだが)


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