本3冊
最近読んだ本3冊。
(ヅカは無関係です。ていうかわりと腐ってる系なので苦手な方は注意)
・1冊目は文楽劇場近くの書店で空き時間にふと手に取ったもの。
東芙美子の『梨園の娘』。
梨園に生まれた娘と、その父たちの壮絶な戦いを描いた小説なんですが、これがめっぽう面白い。
話の展開がすごい、テンポがすごい、文章うまい、人物造形あざやか、心理描写にぞくぞくする。
梨園も舞台になっているので彼らの芸術観にもふるえます。
また、父娘の葛藤のさまがすごくて、なんだかJUNEっぽいなぁ……と思いました。
(そしてその勘は間違ってなかったと後で知る)
・で、JUNE作家のひさびさの新刊、江森備の『シーザーラヴズローマ』。
シーザーシリーズの2巻です。
シーザー、明るいです。
ローマ人だからか?
女の愛人もたくさんいるし。
江森さんといえばえぐいぐらいの作品を書く人! と思ってると、この明るさに拍子抜けします。
そしてJUNEっぽい場面がほとんどない。
このまま何も起こらないまま終わったらどうしようかと思ったぞ。
・『梨園の娘』が面白かったので、同作者の前作『花に舞う鬼』を図書館で借りてきました。
びびるくらいの、ドがつくレベルの、超JUNEでした。
ああああああー、これっすよ―――!!!
懐かしいっつーか、王道すぎるJUNE。
高校時代に読み漁ったサカキバラシホミとかモリウチケイとか、あーゆーの思い出したっっ。
『梨園の娘』主人公のお父さん世代ほか、が出てくるんですが、なんせ登場人物が歌舞伎役者やら日舞の宗匠やらなもんで、もうベタにベタにベタにドロドロしてくれます。
楽しいですよー。
出てくる人出てくる人、みんな同性愛的なケがあるっていうのがまた(笑)。
そして人物描写その他がこれでもかとお耽美。ああたまらん。
文庫で加筆修正・改題書の『美男の血』が出たようなので今度買おう。
ディスカッション
コメント一覧
今更ながらのコメントですが。東女史の2冊久々にがっつり時間もそっちのけで読み耽りました。
子供時分に多少日舞やらに足を踏み入れていた為に、あるなこれに近い事、と思い出しつつ。
良いご本ありがとうございます。
>さくら さま
私は日舞などに縁がなく過ごしてきたので、ほぼファンタジーとして楽しみました。
楽しんでいただけてよかった!