同室者の運

自分語り

ムラに観劇しに行くときは基本は土日の1泊2日です。
祝日を含んだり有休をとったりしての2泊以上になることもあります。
日帰りはめったにありません。

当然どこかに泊まることになります。
宿泊地はムラであったり梅田であったり尼崎であったり、そこも埋まってたらまた別のところに。
ホテルが基本ですが民宿になるときもあります。

何度か民宿に泊まってわかったのは、半個室よりも、相部屋のほうが気楽だということ。
半個室は、パーテーションで仕切られていて姿は見えないけど音は筒抜け。ネットカフェの個室にベッドがあるような感じ。
半個室だと顔の見えない相手に少しの物音も気になって仕方なくなります。
自分が音を立てるときが特にそうで、ビニール袋からペットボトル1本出すのですらなんとなく気を遣う。

が、相部屋だと「どうぞよろしく~」と最初に挨拶し、「どこから来たんですか」「今日は大劇場をご観劇だったんですか」「どなたのファンですか」「○○さん素敵っすよねぇ」「○○の場面がいいですよね」とヅカトークで和やかに進むし、音を立てるのもお互い様。
なにかあるときは「あ、すいませんご飯食べていいですか」「あ、どーぞどーぞ」などと断りを入れながら進めるのでかえって気楽です。

お茶会の話や会の入り出などであった話、ジェンヌさんの裏話なども聞けることがあり、そういう余得もある。
(いちおう、そのときの部屋とメンバーによるが)

というわけで民宿は結構好き。
お風呂が好きなように使えないし、イビキの人がいたりすると熟睡できないけど(笑)。

が、それ以外にも禍の種がないわけではありません。

*・゜゚・*:.。..。.:*・゜以下、少々毒吐き。*・゜゚・*:.。..。.:*・゜


何か月か前に民宿に泊まったときのこと。

同室になった方がご自身が応援しているジェンヌさんについて「あまり、名前を言わないほうがいいんだよね……」と言葉を濁しました。
その段階で予感はありましたし、言いたくないことをわざわざ聞くつもりもないので「あ、そう」とさらっと流しました。
なんか聞いて欲しそうな感じもあったけど、藪をつついて蛇を出すのも御免です。

しばらく迷ったそぶりを見せ、実は……と名前を出したのは、案の定某期の生徒。
「この期がいろいろ言われてるのはわかってる、でも……」と。

まぁ別にいい。
私がモヤモヤしてるからと言って、他人にまで強制はできないしするつもりもない。
また人の好きなジェンヌを面と向かって罵倒する趣味もないので、「たしかに人を選ぶ話題だわ、私の周囲にも絶対にダメと言う人がいるし」と流した(つもり)。

「うん、でも……」と、なぜそのジェンヌを好きになったのかその他を滔々と話し始めた。

――人を選ぶ話題だと言ったろうが!
この部屋は私と君の2人部屋ではないっっ。
このデモデモダッテちゃんが!

話はそこにとどまらなかった。
彼女が好きなジェンヌさん(ぶっちゃけ、ファン以外には誰それレベル)だけならよかったが、その人と仲がいいらしい某期の中でもとりわけ問題視されている人の話題を出して、その人の良さなどを話し始めた。

あー、その名前は勘弁。
評判はともかく、そもそも意地悪そうな顔が嫌いなのよ。
でもそれを言っていいものかどうか。

さらっと「その人の話はやめて、苦手だから」と言えればよかったんだけど、言えないまま時は過ぎる。
話は続く。
出待ちのときの話、自分を見かけたら挨拶してくれることなどなど。

「ふーん」「へー」くらいの適当すぎる相槌とテレビへの視線で興味のなさを示したつもりだったんだが、通じなかったご様子。
張りついた笑顔が悪かったのか。
無表情で応じるべきだったのか、相槌すら打たないのが正解だったのか。

違う話題を振ってみても、会話のとぎれるたびに「そういえば~」とその人の話を始める。

挙句、私の好きなジェンヌさんとその人が「声がすごく似てるんですよー。私の友達はみんなそう言ってます」と嬉々として言いやがりました。
「これだから空気読めない若造はぁぁぁッッ!!」(正確な年齢は知らないが、話から察するにたぶん若い。私より一回りくらい下?)と心中盛大に毒づいた私のこめかみに青筋が立っていたはずだが、たぶん見えてはいまい。

――聞きたくない話題をシャットアウトするとき、どこでどうやって止めたら失礼にならないのか。
部屋の雰囲気を悪くせずに嫌なものを嫌と伝えるにはどうしたらいいのか。
そのときほど知りたいと思ったことはなかった。

それ以降、民宿には泊まっていません。
あのレベルで神経を逆なでされることは滅多にないだろうけどね。

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