『Le Grand Escalier -ル・グラン・エスカリエ-』感想・2

宙組公演感想,宙組

宙組特別公演『Le Grand Escalier -ル・グラン・エスカリエ-』を3回観てきました。
6月22日(土)15:30、6月23日(日)12:30、15:30の回です。

過去にも、既存作品の名場面や楽曲で再構成されたショーはありました。
たとえば宙組『Amour de 99!!-99年の愛-』、岡田センセイのロマンチック・レビューシリーズ、『TAKARAZUKA花詩集100!!』など。
『Le Grand Escalier』も過去の楽曲を使ってます。たぶん新曲は主題歌のみ。

今回、ショーとして珍しいのは、宝塚のショー作品の曲だけでなく芝居の曲も使っていること。
『ダル・レークの恋』、『哀しみのコルドバ』、『王家に捧ぐ歌』、『エクスカリバー』の「未来へ」もそうですね。
芝居の曲をコンサートなど以外の通常のショーで使うことは少ないので、芝居の曲と使っている今作がものすごくタカスペっぽいと思ったわけです。

でもタカスペはひたすらメドレー歌い継ぎのイメージですが、今回はショーとして成立させている。
名曲を使って場面を再構成。
約20年のファン歴では元作品を知らないものもたくさんありますが、もしかしたら知らないからこそ楽しめてるものもあるかもしれない。逆に、元作品を知っていたら「こうきたか!!」と二重の喜びがあったのかもしれない。わからないけど、後者の可能性が高そうだな。

セットもとても素敵で(タカスペは簡素よねぇ)、また宝塚の舞台機構をフルに使っている。
セリ・盆に始まり、銀橋、花道のスッポン、吊り物、紗幕、幕の振り落とし、切り絵のような映像投影、大階段ももちろん。

人の使い方も面白かったですね。
路線メンバーがいいポジションにいるのはもちろんとして、中堅・若手男役にも見せ場がある。
娘役も活躍していて、普段以上にスポットが当たっている。
銀橋も大盤振る舞い。

80分あるショーだから通常の55分のショーより充実するのは当然だけど、ダレさせずに見せ切ったのはさすが。
ものすごく良いサイトーショーでした。宝塚愛が詰まってた。

・宙組特別公演はキキちゃん1人で大階段に三色旗でスタート。
これが実は…ってのも最高だと思うわ。
(いちおうまだネタバレはやめておきます。実際にご覧ください)

・「モン・パリ」から始まるパリのシャンソンメドレー。
華やかでレビューの世界にふさわしい。

宙組スターの歌い継ぎは、出る人出る人みんな歌が上手くて声量もあるから満足度が高い。
よくこんなに上手い人ばかりがいるもんだ。
また、トップ娘役がはるさくちゃんという歌姫系だから、宙組全般的な歌唱力は天井知らずですよ。

・「エスカイヤ・ガールズ」
ここさく、サラ、ちっちの3人で銀橋渡って本舞台でも歌い踊る。ブリブリに可愛い振りがついてる。可愛い。
確実に似合わんけどこういうのやりたくなる。
この曲けっこう長くて、ガチ路線娘役でもない3人でこれだけ扱い良いのってすごいよね。

路線娘役の序列は、はるさく、みねり、ひばり、ちっちで確定してる感じだけど、ちっちと同じくらいサラちゃんの扱いがよかった。
これ以外の場面でもサラちゃんは路線娘役ばりに活躍してる公演でしたね。

・もえこメインの『ダル・レークの恋』から「まことの愛」。
はじめはパリ(映像投影)を背景にしたもえこの銀橋ソロ。役名は「モンマルトルの紳士A」なのでラッチマンではない。
もえこは歌ごとに違う色をつけていて、歌唱力の高さが素晴らしい。

娘役の登場の仕方がかっこよかった
紗幕のうしろにドレス姿の娘役がシルエットで浮かび上がる。
紗幕とライトの使い方がとても素敵。

みねりちゃんが「モンマルトルの淑女A」としてもえこと組んで踊る。ずいぶん痩せた印象だが、相変わらず可愛く上手い。

みねりちゃんが率いる娘役12人のうち、素敵なダンスだと思った子がいたんだけど誰かはわからず。
でも前列で下手側だったから、学年成績順に並んでると考えると夢風さんか風羽さんか。

・「夜霧のモンマルトル」はずんちゃんメインで。
黒燕尾、シルクハット、ケーンというお洒落セットを揃えた男役が居並ぶさまはうっとりするかっこよさ。

歌手で真白くんが起用。

今回、宙組副組長のなっつの存在感が増しましたね。黒燕尾であのかっこいいの誰だ?と思ったらなっつだったりしました。

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