『Le Grand Escalier -ル・グラン・エスカリエ-』感想・3

宙組公演感想,宙組

宙組特別公演『Le Grand Escalier -ル・グラン・エスカリエ-』の感想の続き。
観劇したのは6月22日(土)15:30、6月23日(日)12:30、15:30の3回です。

・「Jungle」
上手側から旅人のキキちゃん、下手側からこってぃ蛇と妖鳥ダミーの娘役4人が登場。銀橋へ。
キキちゃんは探検隊のような服装をしていてなんか可愛い。若いころを思い出す。
キキちゃんが「夢人」を歌ってるときに下手側でいろいろやってるから目を離せない。

こってぃ蛇は、舌をチロチロ出すようなダンスも秀逸。銀橋で娘役4人に横抱きにリフトされて、片脚は自分でキープしてるのすごかったわ。
振付は港ゆりか先生。最高です!(三井聡先生の奥さんだっけ?)

『BLUE MOON BLUE』から「BLUE ILLUSION」。
元作品では檀ちゃんが「赤い花」だった気がするので、はるさくちゃんが「妖鳥」をやってる今作は元々とは設定を変えてるのかな。

私、この『ル・グラン・エスカリエ』ではこの場面が最高に好きで、なんならこの場面だけエンドレスリピートしたいくらい。「Jungle」の場面だけでチケット代の元はとれるぜ……!

この場面の歌手は「妖獣」嵐乃くんが起用。力強い歌声でした。
派手なカツラに濃いビジュアルもとても似合ってた。

この場面のはるさくちゃんがすごかった。
レースで片目を隠し、両脚のテイストが違う衣装のビジュアルも最高で、なんというか「癖(ヘキ)」に刺さる感じがするのよねぇ……!
元々高い歌唱力に加え、ダンスの見せ方、視線の投げ方がとにかくかっこよかった。
こんなに強い視線を出せる娘役だったとは。

はるさくってこんなにできる子だったのか……!と今までの不明を恥じつつ、ひたすらわくわくどきどきしていた。

今回、歌唱指導に元星・雪トップ娘役のぐんちゃん(月影瞳さん)が、振付助手にまりもちゃん(蒼乃夕妃さん)が入っている。

はるさくちゃんの1期下には入団時から将来のトップ娘役として育てられていた現雪組娘役トップ夢白ちゃんがいて、宙組トップ娘役としては同期のじゅんはなちゃんがお輿入れ。さらに102期路線娘役としては花宮沙羅ちゃんもいた。3期下にもこれまた強いひばりちゃんがいる。
トップ娘役は2期上のまどかちゃん。
こういう状況で、はるさくちゃんは路線娘役として育てられるのは遅かった。
つまり、「真ん中」に慣れていない、真ん中としての見せ方を学ぶ機会が少なかったわけで、それを補うためのぐんちゃんとまりもちゃんの起用だったのかなぁ。知らんけど。

「ENDLESS DREAM」ではキキちゃんの歌ではるさくちゃんが舞台狭しと伸びやかに踊る。
妖しさと強さ、華やかさ。そして技術。
本舞台の上でセリ上がるのも、また腕を伸ばしたままセリ下がるのもかっこよくて、とにかく目を離せなかった。

一方、こってぃの蛇ははまり役すぎる。元月男1のまさおを思い出すねっとり感と耽美さ。
緑のライトがあまりにも似合う。
動きの一つ一つが洗練され、場面に細かく色をつける。
そして歌も強い。

歌やダンスの高い技術力に加え、毒のある妖艶さ・耽美さは今の宙組で唯一無二の個性でしょう。
しかも「男役」としてのかっこよさの上に立脚しているのが強い。

今回の宙組公演でこってぃこってぃ言ってて実際くっ、かっこいい…!となってるのだけど、悔しいので「ウサギ大好きなくせに!!」と心の中で叫んでいる。

なお、「ウサギ大好きなくせに!!」の類例としては「アザラシのくせに」「ハムスターで脳内占められてるくせに」「ウシ大好きなくせに」などがあります。

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