星全ツ版『大海賊』感想・２
今さらながら星組全国ツアー公演『大海賊／Ａｍｏｕｒそれは…』７月４日（土）１８時公演の感想の続き。
・みっちゃんのエミリオが若くて坊ちゃんで剣が弱い役をやってた。
ああ違和感。
でもこれが最後まで続かなくてよかった。
父が殺され母が殺され、従者は自分を逃がすために盾になり……。
重いものを背負って、海賊を倒すために海賊になる！ というなかなかに短絡的な思考回路をしてくれます。
この考え方にまずつっこみたいのですが演じる人によってはハマったのかもしれない。
が、なんせ演じてるのがみっちゃんなもので……若さゆえの直情ほどみっちゃんに似合わないものはそうそうないぜ。
みっちゃんに似合うのは、たぶん考えに考えて、深謀熟慮するほう。
まぁそんな役ばっかりやるわけにもいかないし、なんともいえぬむずかゆさを味わうのもまた一興。
遊園地にありそうなアトラクションみたいな舞台でしたが、一人の男の子の成長譚を演じきりました。
・エレーヌ風ちゃんが殺されたあとのエミリオの嘆きが重くて、このまま一緒に死ぬのかと思いました。
死者を沈める船に乗り込んだりしてさ。
最低限、隠棲くらいしそうだった。
そういう気配がなかったのにびっくりした。
・夏樹くんがヒゲだった。
ナイスひげ！
・キッド役の礼くん、この役似合うなぁ。
元々ビジュアル的に少年ぽい役が合うこと、持ち味的にも小生意気系の役が合うこと、そして海賊としての動きのキレ。
それに加えて、首領はみっちゃんにこそ譲ったものの、人に推されるだけの大きさを備えてきた。
・風ちゃんのエレーヌはザ・ヒロインな役。
本人の持ち味と違う方向だと思うんだけど、それをどうにかしてくるあたりがこれまでのヒロイン修行の成果でしょうか。
歌えて芝居ができる。
みっちゃんとはガチでやりあえるいい相手役だと思います。
・しーらんが客席からの登場のときなどにアドリブやってた。
こういうのは上手いな。
・海賊の仲間たちはそれぞれに面白い役名がついていていいな。
初演は知らないし今回も１度しか観ていないしなので把握しきれませんでしたが、役名とやってることを合わせて観たらきっと楽しいと思う。
