『ささら笹舟』を見たんだ・2
『ささら笹舟』は谷センセイの日本物です。
落語じゃありません。シリアスです。
ということは、人が死にます。そりゃもうたくさん。
「皆殺しの谷」の名に恥じぬような(?)殺しっぷりでした。
いやぁ死ぬ死ぬ。
最後まで生きてたのは誰だ?くらいの勢いで死ぬ。
笑っちゃいけませんが「あー、谷センセイだなぁw」みたいな感じでした。
特に2幕の死にっぷりといったら……!
『キャプテン ネモ』ラストの総員玉砕とか思い出したわ。
とはいえ、私は谷センセイの作品が好きです。たぶん。
説明のくどさには「ああ、植爺のような匂い……」と思うんだけど、ムカつき度は全然違うんだよね。
登場人物は死にまくるけど、半分くらいは谷センセイの持ちネタみたいなもんだし……。
・死にネタ(ネタ扱いしちゃいかんか?)で泣かされたのは、かしちゃん演じる妻木の母親・登勢さん。
妻木は明智光秀の影武者となるにあたり、妻木として生きてきた経歴を消さねばならなくなる。
母も殺さねばならないが、優しさゆえに母を手にかけられない妻木。
そんなわが子のため、息子を見てもわが子と気づかないよう、自らの目をつぶす母・登勢。
時が経ったある日親子は不運にも再会するが、衆目の前であり、母・登勢を「光秀を狙う刺客」として斬らねばならなくなるのね。
このときの登勢さんの演技がいいんですよ。
生死もわからない息子との再会を喜びつつ、息子のために自らの命をなげうつ。
「婆を光秀様の手にかけていただけるとは、冥途の土産ができました」と静かに手を合わせるところが、泣ける。
なんというレトロな日本人メンタリティ。
演じていたのは元雪組副組長のよっこさん。お懐かしい。
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