『婆娑羅の玄孫』を見たんだ・2

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専科の轟さん主演作、星組シアター・ドラマシティ公演『婆娑羅(ばさら)の玄孫(やしゃご)』をライブ配信の感想の続きです。
7月14日(水)16:00~の配信だったので2ヶ月近く経ってしまいました。

・轟さんとゆうちゃんさん(小久保彦左)とのやり取りがひたすら可愛い。
一生やってろ!!と思う感じで、でも一生はできないのよね……(轟さんが退団しちゃうから)とメタ的に悲しくなる。

切腹プレイ(?)はベタな笑いだけど、お約束はお約束って感じでいいよね。
イシさんにとっても「あーもうまたやってる」みたいな感じなんだろう。

あとね、ゆうちゃんさんに怒られ拗ねて甘えているイシさんが可愛いです。
これも、顧問とはいえ大上級生のゆうちゃんさん相手だからできることだよね!とメタ的にちょっと嬉しい。
うん、ご卒業の日まで甘えまくってほしい。

・轟さんは日舞の名手であられ、日本物の雪組で主演をされていたお方。
踊りも殺陣もじゅうぶんに見られて満足。
これでもかと流星が落ちるなかでのやりとりとかね、あああ芝居だわーーーーと思いつつも楽しい。

浪人のムシリのカツラから、最後は武士としての端正な姿への変化も鮮やかでした。

・通し役にきわみくん(権六)。
歌が上手くなったような。
真ん中似合うなぁ。

軽い調子が可愛い、可愛い。華がある。

・ぴーすけは2役で紛らわしい……。(ご本人のせいではない)
1幕と2幕はテレビ時代劇の別の回よ、みたいな感じだとわかってないと混乱するだろうなぁ。
1幕では悪役だった人が2幕ではいい人で出てくるんだもの。

1幕では所作の美しさが目を引いた。
2幕は轟さんの友人役で、学年差があるけれどもさほどの不自然さもなかったのは素晴らしいことです。

・2役で紛らわしいのはみきちぐも。
1幕は「おぬしも悪よのう」的で、ちょっと楽しかった(笑)。

しかし1幕と2幕で、ぴーすけとみきちぐが同じくらいの重さで、しかもセットで出てくるってどうにかならんかったんか植爺よ……。

・ほのか(麗々)ときしょーくん(真々)は中国人姉弟。
10代の少女・少年くらいで、ほんと子役が多い作品である。『小さな花がひらいた』ばりに多い。
いかにもな外国人しゃべり、現代で上演するにはどうなんだ……と気になった。

彼らは親の敵討ちをするために江戸に出てきたわけですが、討つ相手はみきちぐ(五貫屋嘉兵衛)。
長崎ではともかく、江戸では良い商人と評判の人物です。
親の仇を討てたのはいいけど、江戸の民にとっては良い商人を喪っただけなのでは……? なのにみんな「かたき討ちできてよかったね!」ノリなのが解せぬ。

・いきなり抜け荷一座が一網打尽になったのもびっくりよ。

・大量にいる子役の中で役柄が大きいのはるりはなと紘希くん。

紘希君は、昔は小さいころの真風みたいと思ったけど、今回はかれーちゃんに似てる。

るりはなは目立つところがきたなぁと思ったら新公ヒロイン決定でおめでとうございますである。

・轟さんの最後の相手役ははるこちゃん。
花も実もあり、美貌も実力も経歴も申し分なく、轟さんの最後にふさわしいベテラン娘役さんである。
相手がはるこちゃんということで、組む相手の格も上がる感じがあるのよね。
轟さんの最後の女(たぶん)がはるこちゃんって贅沢で納得ね。

お鈴ちゃんのポンポンとした言い合いが小気味よく、強気な中にも秘めた想いを感じさせるのがさすが。

ひょっとことおかめの面をつけての轟さんとはるこちゃんの祭りの踊りは可愛いかったなぁ。
着物は五線譜の柄なのがまたいい。

イシさんに想いを告げるところには胸がキュウっとなる。

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