読売新聞のオンラインに、結婚退団の見直しを検討しているという記事が出ました。
宝塚歌劇団、暗黙のルール「結婚で退団」見直し検討…村上浩爾社長「世の中の流れがある」 : 読売新聞
宝塚歌劇団といえば世界にも稀な未婚の女性だけの劇団。
結婚が決まると退団するという暗黙の了解があります。
それはかつては「結婚して夫を持ったからには家庭を第一にせよ」という思いがあったでしょうし、また「楽屋裏を見せてファンの夢を壊さない」というファンとスターの関係性、さらには経営上の問題もあったでしょう。
世間一般の流れとして「寿退社」というのは認められなくなっています。
かつては女性の定年が結婚まで、あるいは25歳まで、あるいは30歳までとなっていたのを、男女同じく職場で勤められるようにと勝ち取ってきた歴史もあってのことです。
その流れで、株式会社化した「宝塚歌劇団」が旧態依然とした「寿退団」を暗黙の了解とはできなくなったというところではないでしょうか。ただでさえ労基に詰められてるでしょうし。
ただ、実際にそのように運用して「結婚はしたけど在団は続けます、舞台にも立ち続けます」というのができるかというと、話は別になってくるのかなぁ。
まず第一に、一般的に結婚は妊娠・出産と地続きにある。
「今から産休・育休に入ります」と1年、2年と休めるかどうか。妊娠はタイミングのものでもあるだろうから、稽古中、あるいは公演中に妊娠が分かった場合は身体の安全を考えて代役を立てる必要も出るでしょう。
39度の熱があっても舞台に立つというタカラジェンヌがそれを受け入れられるか。
そして、休んでいる間にもどんどん若い人が上がっていく。ポジションを譲ることも受け入れられるか。
もし仮に在団しながら結婚するとなれば、専科さんくらいしか難しい気がします。
第二に、男役に顕著だけど、ファンの夢というものがあります。
実際には彼氏がいたり婚約者がいたり……ということがあっても、ファンにはとりあえずは隠すのが現代のマナー。たとえばゆみこちゃん(彩吹真央さん)なんて、兄弟ですらいっしょに歩かないようにしていたというほど。
タカラジェンヌが、特に男役が、生身の女性であるということを想像したくない、フェアリーとして見ていたいという気持ちはわからないでもない。
ファンのなかにはリアコ的な人もいるしなぁ。
なので、仮に結婚したとしても公表せず、とりあえずは隠すかなぁという気はする。
実際に明るみに出たら、宝塚男子部のようにファンの反発はすごそうだ。
そして、フェアリーとして、「男役」として獲得したファンを手離すようなことをタカラジェンヌができるかどうか。
タカラジェンヌは多くが元ヅカファン。元宝塚ファンとしての矜持や夢、ジェンヌたるものこうあるべきという志から解放されるのはむずかしいのではないかと。
じゃあ娘役なら結婚しても大丈夫かというと、たぶんそうでもない。
娘役に「対・男役」で「嫁」的な接し方を求めるファンがいるから。
尊敬している、かっこいいって言ってても、家に帰ればダンナがいるじゃん~?みたいな悪口を言われそうだ。
ちなみに話はそれますが、「結婚で退団」はこれまでもあくまで暗黙の了解にすぎません。
さらに、「劇団員は未婚女性のみ」というのも、時代によっては少々違います。
過去には、結婚したものの事情があって戻った人というのもいたようです。
そのあたりは昔の本を読むと出てきて、今の劇団との違いに驚きますよ。


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