『ボー・ブランメル~美しすぎた男~』感想・5

『ボー・ブランメル』、大劇場で6回観ました。
こんなに増やすつもりなかったんだけどなー……。
東京は行かないので、たぶん東京楽だけ配信で見るでしょう。

今回の舞台の印象的なモチーフは「鏡」。

「あなたは変わってしまった」と言われるボー・ブランメルの鏡はゆがみ、「簡単に言わないで。そんな簡単なことじゃなかったわ」と苦労をにじませるハリエットの鏡は曇る。
ハリエットに別れを告げられて「壁の向こうには何もなかった」と打ちひしがれるブランメルの鏡は割れ、心ならずも別れを告げたハリエットの鏡は布で覆われる。

ピアポントさん

今回の作品で一番キャラクターが面白かったのはあがちんのピアポント。
賭けが好きな貴族で、ブランメルに投資して、ブランメルがプリンス・オブ・ウェールズの寵愛を失うと去っていく。
ピアポントたち3人衆は舞台端にいることも多くて、配信やBlu-rayではどれだけ映るかわからないけど。

ピアポントは、『歌劇』の座談会やプログラムの場面ごとの概要ではさらっとした役どころなのに、あがちんの役作りはめちゃくちゃ面白かったんですよね。
夜会でブランメルが貴族やプリンスを煽っている様子を見てるところや、ブランメルとの出会いの思い出話のシーン(ここ、うまく過去の説明してて生田くんさすがやで!)、わざと賭けに負けたと言って掛け金を拾わせるところ、プリンスの愛人との密会を目撃しての怒り、憔悴のブランメルを陛下の元へ連れていく流れ、ブランメルが自らが裁きを受けるように仕向ける様を見ての苛立ちと失望……。
それぞれに色をつけて感情を乗せてる。

あがちんって、役の作り方はいいよね。

ピアポントってブランメルを下に見てるよねとか、自分たちの金を使って手駒やおもちゃにしたいんだろうなとか、それなのにプリンスの寵愛を得て「あの女優だけダメだ」という自分の言葉を聞かなくなったのも気に食わないんだろうなとか。
最後の夜会でのブランメル劇場も、途中までは怒りながらも余裕があったのに、「負け」確定で完全に切り捨てモードにスイッチして冷徹な表情になる。

ただ、あがちんの演技と歌の技術が心もとないので、「存在感のありすぎるインテリアみたいやなぁ」と思いました。
美しくて主役級の存在感があるだけに使いどころが難しいお人である。

みんながブランメルスタイルになる場面の男役たちを率いてのロックなソロ、かっこよかった。
正直、上手い人で聞きたいとも思ったけど。

ブランメルさん

2時間かけて支度するブランメル……のはずだが、舞台上では一瞬で終わる(笑)
クラバットを結ぶ手つきもスムーズ。
いや、ほんとに2時間かけて支度されたら公演時間中それで終わりますけど。

ボー・ブランメルとハリエットはかつて恋人同士だったと描かれる。しかし、なぜ互いに惹かれたのかは一切語られてないんよね。それも再会後に恋の炎を吹き返すほどの。
でもそういうのなしでも余裕で納得できるのは、あーさと夢白ちゃんの美貌ゆえよな〜。

プリンス・オブ・ウェールズさん

ブランメルと会う前のせおプリンスの演技、回を追うごとにどんどんおぎゃっていったな。
困った人だが、可愛い。(でも国庫を破綻させるな)

プリンスがブランメルを好きすぎる問題。
美しい愛人(ハリエット)は代えが効くけど、親友は代わりがいないんだろうなと思っております。

セットの話

『ボー・ブランメル』は生田先生作・演出なので盆が回るしセリも上下する。
この舞台転換が素晴らしくて。
ブランメル宅のセットがセリ下がると、セットの上部(セリになってる)がハリエットの務める舞台にもなる。
客席は背景画のみで、とてもシンプルな舞台が出来上がるわけだが、それがただ一人で戦ってきたハリエットの孤独として映る。

ハリエットさん

千秋楽の、夢白ハリエットの歌はすごかったなぁ。
最初の大ナンバー、自分がどうやって今の地位に上り詰めたかの歌は鬼気迫るようだった。

そして、ラストの白ドレスに紅薔薇のハリエットの銀橋渡り、本当に最高でした。
大劇場の千秋楽は、銀橋の端から端まで惜しみない拍手が送られました。
宝塚のスターシステムだと、格上であるトップスターの歌を消すような拍手はできないんです。が、これはサヨナラ千秋楽の餞ですね。

夢白ちゃんは胸に赤い薔薇を飾って入団し、紅薔薇の人と呼ばれて卒業を決意し、紅薔薇の花束をもらって退団するんだな。

その他いろいろ

・ロココの夢たちのダンス、最高でした。振付いいよねぇ。

・皇太子妃付きのシャーロット・バリー役の白綺さん、芝居の「あり得ないわ」のワンフレーズソロも美声。ほんのちょっとなのがもったいない。

・宝塚友の会貸切。アドリブは狩の場面だけかな?
「と」「も」「の」「会」
「と」「も」「だ」「ち!」
でりなくるちゃんたちが威勢よく走って行きました。

・ブランメルとピアポントたち三人衆のところ、のりぴー(マイルドメイ)の程良さってすごいなと思う。軽すぎず、明るくその場に馴染む、程よい存在感。

・ベリーちゃんたち可愛いいいいいいい!
アホの子やってるのもプンスコしてるのもどれも可愛い。

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