宙組大劇場公演『ベルサイユのばら―オスカル編―』5月10日(土)11時公演を観てきました。
役替わりはAパターンです(アンドレまぁくん、ジェローデルかいちゃん、アラン緒月)。
今回のベルばらはAB各パターンそれぞれ1回ずつ観劇の予定。
初めて観る「オスカル編」。
「オスカルとアンドレ編」とはまるで違うものなのですね。
オスカル編は“オスカルとその他の人たち編”とでも呼びたい感じで、アンドレを相手役とは呼びづらいほどに彼の比重が低かったのです。
あーびっくりしたー。
今宵一夜はあるけど、ジェローデル・アランと並んでオスカルを彩る男たちの1人にすぎないように見えた。
まさに「影」。
今までのアンドレって「ほんとアンタ庶民という自覚あんのか? きらきらしい衣装で衛兵隊に出入りするわ、オスカル以外のお貴族さまにまで生意気な口はきくわ……」だったのに。
今回だって差し出口はきくし衛兵隊に出入りもするんだけど、出番が少ないせいか“特別な人物”感がない。
舞台上での扱いの軽さ・立ち位置の控えめさが、物語世界での彼の身分や立場を示しているかのようだった。
だからこそ、オスカルがアンドレを選ぶという選択の重さや、身分差を超えた愛の大きさが感じられた。
オスカルが当時の常識を覆すとんでもないことを考えているのだと実感できた。
今回はオスカルとアンドレの愛の物語ではなく、オスカルの物語なんですね。
これはこれで面白かったです。
テルのオスカルは、本人の目指したとおり「男前」。
男性として育てられたオスカル。
だから行動も考え方も男性寄りになるし、(フェルゼンが出てこないせいかもしれないけれど)女性らしい部分が少な目。
銀橋での「わが名はオスカル」があっさりしているように感じました。
思いがこもっていないというわけではないと思うんですが、表面的にはサラッとした感じで、それがなんか男の人っぽいなと。
それと、アンドレが亡くなったあと「シトワイヤン、行こう」の流れ。
ここが恋人を失った辛さを引きずってる度合いが少なくて、悲しさを一気に戦いへの熱へと転換しているように見えた。
悲しさを持ったまま戦うのではなく、戦闘モードへとスパーンと切り替えがされているように見えた。
コメント