『エドワード8世』感想・8

覚え書きいろいろ。
(こちらもまだ書き終わってなかった)

●開演前にアナウンスが入る。

通常は娘役によって話される「携帯の電源はお切り下さい」「録音・撮影はしないで下さい」などの注意が、芝居の一部のようにまさおのガイ・バージェスによって伝えられる。

ウォルトンの『王冠』(元来は、エドワード8世の戴冠式のために作曲された曲)をBGMにして
「こんな曲を聴く時は、ゆったりと背もたれに抱かれるように聴きたいものです。」
と言うことによって「前のめりにならないで下さい」という注意を気持ちよく伝えるあたり上手いなぁ。
そう言われたら、背もたれにゆったりと体をあずけたくなるというもの。

●ちゃぴのアデール・アステアはよかった。

大野くんがプログラムの人物紹介で「コメディエンヌ的魅力を武器に」と書いていたんだが、それにすごく納得した。
美人女優とかじゃないんだよねー。
キュートさはあるけど、わかりやすい美貌とか色気とかは足りないからなぁ。

宇月との並びは園加バウのときよりでかくみえた。髪飾りのせいかな。
でも宇月の姉役だから少々大きくてもいいや。

やっぱり芝居とダンスの上手い娘役だなぁ。
フレッドが「姉さんより美人は出さないことにしてるんだ」と言ったときのムッとしながらたしなめる演技が好きだ。
やりすぎてなくて、かわいげがあって。

アステア姉弟はデイヴィッドの友人。
デイヴィッドの言葉によって売れたけれども、ちゃんと「友人」なんだ。
彼を利用しようとしてるわけじゃない。あたたかい関係。

国王在位50周年のジュビリーのシーンでは宇月のソロもあってよかった。
上手い人が歌うのはやっぱり舞台の質を上げてくれる。

●上手い歌といえば退団者のよっしーも。
行きつけの店「カフェ・ド・パリ」のボーイ長で、歌を聴かせてくれる。
本当にありがとう、だ。

●国王一家(彼らの配偶者含む)はワンサで出てきて個々人はあまり目立たない。
最初に思ったより「おいしい」役ではなかったな。

オープニングのガールスカウト風な服のゆめちゃんがかわいい。
男たちの中に1人いる女の子、というポジがまたいいよね。

アルバートの一色さんは、どもりのある発音に抑制が効いていてさすがだと思う。
やりすぎると舞台を壊すし、いやらしくなるもの。

小心者なところがかわいそうでありつつ愛おしい。
弟の結婚式のシーンで、「伯父様、変なことってどんなことですか?」と言いだす娘に困惑してるところがすごく好き。
(柵から顔をのぞかせてる娘2人がまたかわいいんだ! なにこれ。妖精か!)

そして王位を譲り受けたところでの兄弟の絆はこちらの涙腺をこれでもかと刺激する。

●アルバートの奥方はあーちゃん。
デイヴィッドに対して向ける視線の厳しさがいい。

これが「夫の寿命を縮めた元凶はデイヴィッドだ」と恨み続けたというところにつながっていくんだろうな。

●デイヴィッドお母さん=王妃メアリー役のこころちゃんは年をとっていく造形がすごくいい。
白髪の混じった髪型や、低く落ち着いた話し方などがさすがはプロの女役だと思う。

国王が亡くなったときに子供たちにかける「まだ悲しむ時ではありませんよ」「国王陛下、万歳」の声も王族としての威厳に満ちている。
子供たちへの情愛はあるにせよ、まず自分の立場やなすべきことを優先して生きてきたのだろうことがよくわかる。

●父・国王のソルーナさんは専科さんらしいいい仕事。
威厳のなかににじむ苦渋に、王政のむつかしさを感じる。
冒頭にもあったとおり、各国の王政はいずれも崩壊していた中のことだから。

ヒロさん演じるチャーチルとのやりとり「役に立つかぎりでかまわん。それが国王というものだ」というところはずしっとくる。

そして葬儀のあとスクーンの石のはめ込まれた玉座に座るところはぞくっとくる。
なんでああも重みがあるんだろう。

●ガイがオープニングで各国の王冠をぽいぽい投げながら王家の落日を歌うところの、
「今までありがとう ロマノフ ご苦労様です ハプスブルク 出口はあちらに ホーエンツォレルン」
という歌詞は上手いなぁ。
シニカルで、粋だ。

文字でなく音で理解する舞台だから、同音異義語の多い熟語が多用されるとなにを言ってるのか理解に時間がかかるときがあるんだよね。
それを排除して和語を使ってるから伝わりやすい。

大野くんの詞は主題歌の「プリンス・チャーミング」にしても平易な言葉で聴く側にちゃんと伝わるんだ。

0

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村


宝塚歌劇団ランキング

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。