『めぐり会いは再び』感想・2

今回の話ですごくいいなぁ、と思ったところ。

ちえ演じるドラントが自分は従者のブルギニョンではなく公爵家の子息であることを告白する場面。
彼はねねちゃん演じる「リゼット」を伯爵令嬢シルヴィア本人であるとは知らぬまま愛しており、また自分の従者が「シルヴィア」相手に身分違いの恋をしていると信じ込んでいる。

「私の従者のせいで―――いや、私のせいでシルヴィア様を不幸にするわけにはいかないのです」

セリフ自体は正確でないと思いますが、こんなふうなことを彼は言う。
身分違いの2人が結婚することでシルヴィア姫が苦労する羽目になる。けれどそもそもの原因を作ったのは自分だ。
ナイーブで傷つくことを恐れるがゆえに、人をあざむき試すようなまねをした。
恋をして痛みを知った。
己の弱さが、自分も、従者も、姫をも悲しませることになったと知った。

それをちゃんと自分のせいだと言い、責任をとろうとする。
ナイーブで自分のことばかり考えていたドラントが大きくなったんだ。

ありがちな成長譚とも言えるけれども素直に祝福できる。
立派な衣装をつけて「ドラント」として再登場する姿は王者の風格を漂わせていて堂々たるものだった。
それが、旅姿=成長途中、従者の服=人をあざむく仮の姿、再登場時の立派な衣装=成長後のドラント、という彼自身の変化を示しているかのようでもある。

成長するのはドラントだけではない。
偽っていたのはシルヴィア自身も同じこと。ドラント同様に自分のために人と自分が悲しむはめになっていたことを知る。
そしていざ―――というところで登場するアルビレオお姉さま最強です(笑)。

息詰まる空気をひっかきまわしてアルビレオ・モードに突入。
舞台上も客席もぜんぶアナタのものです。全部持ってった。

シリアスになる直前でふっと息を抜く。でも嫌な感じじゃない。
このバランス感覚がいい。

主人公とヒロインが自らのしたことの結果を知り、成長する。
それを説教くさくせずに舞台を軽やかに仕上げてるのが小柳センセイのうまいところだと思う。好きだわ。

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