『鎌足』を見たんだ・1
オンデマンドで星組公演『鎌足−夢のまほろば、大和(やまと)し美(うるわ)し−』を見ました。
見たかったんです。
オンデマンドを契約した理由の半分くらいはこれってくらいには。
作・演出は生田センセイ。
いっくんはほんと外さないわー。好きだわ。(ラスタイは忘れることにする)
考察大好き系・文化系オタクが延々語ってしまうタイプの作品ですね。でもエンタメ性もふんだんにある。
テンポが現代的。
先般、オンデマで谷作品の『ミケランジェロ』を見たところだったので余計に「あーーー。現代の作品だーーー!」って思いましたよ。
現代的なテンポで進むとタルくないし、わくわくして見られるんですよね。
設定も面白かった。
舞台冒頭、みっきぃ演じる船史恵尺とヒロさん演じる僧旻が語り合うのは、時空の彼方(正確なところは忘れた……)みたいなところなんですよね。
こういうのもわくわくする。
為政者を中心とした歴史書の改ざん、不都合な部分の消去についてはウエクミの『月雲の皇子』を思い出しました。
(時代もそこそこ近いな)
あと、登場人物の宛書っぷりが見事。
噂には聞いていたけど、せーらちゃんに安見児を演じさせたのは凄すぎる。
安見児は天皇の采女で、想うこと、想われることを忘れて生きてきた美女。
人の言動の裏、心のうちがわからない。
愛妻・与志古(あーちゃん)を奪われた鎌足が「安見児得たり」と悲痛な笑顔で歌うのも、そのまま喜びの歌として受け取る。
宝塚歌劇団の中でも図抜けて美しく、けれど存在感にも演技にも人間的な温度感の薄いせーらちゃんにふさわしすぎる。
なんちゅうドンピシャな宛書。
技術的には低いけれど、こういう役を演じてハマる人もそういない。
せーらちゃんが今後も適材適所で活躍してくれますようにと願わずにいられませんでした。
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