『鎌足』を見たんだ・4

2020-12-30星組公演感想,星組,専科

・みっきぃさんの船史恵尺(恵釈)が怖い。

マッドサイエンティストはときどき作品などで見るが、マッドな歴史家というのはレアな気がする。
船史恵尺のことを知らなかったのでググったらウィキに「蘇我蝦夷の自害の現場に居合わせたことで知られる。」と書かれていた。
蘇我家が焼亡する中、主君を助けずに歴史書(国記)を持ち出す人だもんね……。
「クーデター派の命令で密偵的な働きをしていたのではないか、という説も存在する。」というのも納得だ。
(主君である蝦夷自身が助けられたかったかどうかは知らん)

ウエクミの『月雲の皇子』でも歴史書は為政者の都合で作られる、と言われていたものね。
『月雲の皇子』の博徳先生は日本で生き延びるために歴史の改竄をしていた(日本への貢物としてやってきた人なので立場が弱い)。
けれど、『鎌足』の船史恵尺はもっと上から、なんなら自分が天を操る位置にいて日本の(っつうか大和の)歴史をみずからの手の内に入れるために歴史書を使っているように思えた。
よりダークな博徳先生みたいな感じ。

いやーーーーー、ほんっと怖くて気持ち悪かったんですよ、エサカさん。
最高よ。

91期生、研16とはいえ、専科のヒロさんとバチバチにわたりあってたのもすごいです。

・僧旻のヒロさん。

やばい、めっちゃ好き!! というのはとりあえずおいといて、ヒロさんが出ると悪人系かな?と思ってしまうクセがあるんですが、別にそういう役じゃなかった。ていうか、みっきぃのエサカさんが黒すぎて、ヒロさんの僧旻がふつうの苦労人にみえるという……。

物語をぐっと締める役割をしてくれる専科さん、ずっと宝塚にいていただきたい。

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