『鎌足』を見たんだ・3

・蘇我入鹿のみつる。
学年を忘れるほどの若々しさと色気のある入鹿でした。

国を思い、鎌足と机を並べて切磋琢磨してきたかれが、皇極天皇への恋に溺れていく。
その色っぽさがさすがの研21男役!!
美しい滅び方でした。

佇まいはあくまで清新で品がある。
宝塚の男役さんらしい美しさに目を瞠ります。

鎌足との友情も、国への思いもなくしたわけではないのに、どうしてこうなってしまうのか……。

「正気は帝に捧げました」というのはほんとにいいセリフだわ。
それだけの熱情が感じられました。

・皇極天皇(宝皇女/斉明天皇)のくらっち。
夫を失い、宮中に味方のない中で入鹿の愛を受け容れていく。

くらっちは1幕の若いころの頼りなげな風情よりも、2幕の愛人・入鹿を殺されてからの強い憎しみを抱いた姿がしっくりくるんですよね。
情念が燃える。
鎌足への憎しみが彼女を動かしている。

母としての強さも感じました。

・中大兄皇子(天智天皇)のせおっち。
彼だってかつては蘇我氏の横暴を許さない清さがあったはずなのに、暴虐の王になっていく。

母親・皇極天皇が強すぎるからかなぁ。
ちょっと辛いもんがあるよね、と思わされるような母子ぶり。
与志古を使って鎌足の首根っこを押さえておくあたり、皇極天皇は為政者としては有能なんだろうけれど、息子に対してもとても支配的なんだよね。

中大兄皇子の鎌足への接し方は、偏愛のように見えた。
(自覚はないけれど)愛しているから逃がしたくない。逃げられないようにしたい。
弱みを握りたい。
言うことをきかせたい。

なんて歪んだ――。

与志古を妻にするのも、母の指図もあったけれど、基本的には「鎌足のもの」だからだよね。

終盤、身体を病んだ鎌足のもとを訪れたとき、鎌足の子・不比等が安見児ではなく与志古を母上と呼ぶのを聞いた。
そのとき自分の血を引いていると気づいた。
自分の血を引いた子を、愛する鎌足が育てている。
鎌足と自分をつなぐ与志古が自分の元から去っても、自分と鎌足のきずなは切れなかった。
その嬉しさがにじんでいた。

――なんか、ものすごくいい感じのBLでしたね。(なにその結論)

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