姉からのメール・75

姉からのメール

姉からの『ポーの一族』感想メールがきました。
今度は原作マンガを読んでからの観劇。

花組 ポーの一族 感想4

・2回目、ちゃんと読んでから見れたよ。ミッション成功。えらいやろ!珍しく真面目な私を褒めてもいいのよ

・本に入る!バンパネラになる!ぐらいの勢いで読んだ。そしてバンパネラになってから見た公演は全然違ったぞ

・いやもう、読んでから見たら理解度上がるというか、補完がめっちゃ効く!ユーシスとオズワルドのくだりなんか、1回目の時はふーん…ぐらいでサラーっと流れてったのが、ちゃんと読んでいったらユーシスが優しすぎ繊細すぎ、メリーベルは葛藤があった末お兄ちゃまについて行ったんだね(´・_・`)ってウルっとくるぐらい違う。(ユーシスは矢吹せなくん、退団か…君の振り切れたドクトルスペクターJr.は忘れないよ…)1幕最後も初見は、「なんでみりお溜めて気合い入れて「妹を紹介するよ!!」なんだろう?」と思ってたけど、この漫画の(というか、二人の)芯にメリーベルがいるからなのね、違いますかね?

・物語についても、初見ではバンパネラの「孤独」について、仲間というか同類を求める気持ち、必要性が今ほどわかってなかったと思うわ。だって劇ではあまり時が流れないし。そこそこ周りに人いるし。最後の最後、ギムナジウムの場面では感じるけども

・でも漫画ではオムニバス形式のほぼ独立した(微妙に繋がってはいるが)話にバンパネラの二人が絡んでいくかたちを取っている。で、読者(私)は今さっき読んで共感した登場人物が、次の話では年をとったり亡くなってしまっているのを目の当たりにする。読者自身も二人とともに時を旅する仕様になっていて、自然と二人の寂しさにリンクしやすいよね。「あの人はもういないのか…」って。その気持ちを引きずったまま話はどんどん進んでいく寂しさよ

・人生の悲哀、孤独、寂寥、歯痒さ、愛しさ。漫画では、そういう人生ドラマを、バンパネラを軸として見せているように思います。ホラーを味付けとして。思ったよりも禍々しいな。よくあんなメリハリあるエンタメ歌劇に仕上げたもんだわー。小池先生天才

・曲も全体的に好み。最初の我らは一族ーのコーラスの厚みでグッと掴まれて、ハロウィンみたいな村人の歌とか、優しく切ない子守唄みたいなゆうるりと。めっちゃノれるホテルの歌に、みりお、あきら、ゆきちゃんの掛け合いの緊迫感がすさまじいバンパネラの生きる道をとく歌(実はこの場面が一番好きかも。盛り上がるし詞もなかなか辛辣。アキラの硬派なロマンスグレーっぷりにやられ、シーラのたおやかさと静かな覚悟に感じ入り、憔悴したみりおの揺らいでる様を愛でてます。ふふふ)、最後のロックまで、小池先生の劇は曲のジャンルが幅広くて意外性もあるので聞いていて楽しい(^-^)。るろ剣のドゥー=ワップとかね。それ持ってくるの?!みたいな。しかも場にちゃんとハマる

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