花版『仮面のロマネスク』感想・2

冷静に考えりゃ主役もヒロインも非常に困った迷惑な人なんですが、そんなことは微塵も思わずに楽しんでしまいました。
いいぞいいぞもっとやれとばかりに。
男と女が――というより、いい女が遠慮なしに攻めていくのが好きなんだと思います。

力のある男役と娘役が遠慮なしにバチバチとやりあっている。
それもトップに就任して数作を経て、立場にも慣れ、互いの気心も知れたからこそなのでしょう。
そういう作品は観ていて気持ちいいものです。

●みりおヴァルモン……大人になったわ……!!
『新源氏物語』あたりからビジュアルの麗しさはそのままにぐっと大人の男(役)らしくなった。
色気が増した。

メルトゥイユに振り回されているようでいて、あえて「彼女の手のひらの上で遊ばれてあげている」感がすごくいい。こういうのも包容力だわ。
トゥールベルに惹かれている部分もにじませながらも、メルトゥイユには本気の熱を見せる。

革命が起き、軍服で別れを告げにくるところも素敵でした。
これがないとただの色好みで終わるもんな。
貴族社会に殉じることで、ヴァルモンに一本の筋が通り、頽廃の美が完成するんです。

●花乃さんメルトゥイユ。
台詞の言い方にすみ花を思い出した。

セシルへの「お寝坊さん」は、言われたらほんと心臓にくると思うわ。

よく美人と称される彼女の顔は私の好みからは少々外れるのですが、それでも男顔寄りの硬質な美貌は役の権高さによく似合う。

「まだそんな女に手こずっておいでですか」(だったかな)は、高慢さを前面に、ヴァルモンを翻弄しているようでその内面に嫉妬をにじませている演技がとてもうまい。
そして「友達は嫌だ」とヴァルモンに言われての動揺も。
恋愛をゲームとして扱い、優位に立つことによって貴族社会での勝利者であり続けてきた。
そんな彼女は、内面に立ち入られたら平静ではいられない、彼女の矜持が保てない。

革命が起きて貴族の世も終わりを告げようとし、ヴァルモンが別れを告げにくる。
ここにきてようやく彼女は貴族としての仮面を脱ぐことができた。

「私たちの時間よ」と最後の舞踏会を開き、2人の時間を惜しむ。
――早く逃げてやれよ、ロベールとヴィクトワール(らいらいとくまくまちゃん)が困るじゃないかと思いつつも、その美しさにため息をついた。

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