『仮面のロマネスク』感想・1
宙組版『仮面のロマネスク』中日劇場公演2月5日15時30分の回を観てきました。
初演版をビデオなどですら観たことがないのでどんな役があるのかすらよくわかってないし、今回の宙組版も観たのは1回だけなのでなかなかアタマが追いつきにくかったです。
でもめちゃくちゃ面白かったー!
前にも書いたけど、すみ花のメルトゥイユ侯爵夫人がすごい。
美貌も才気も優雅さも持っている。
すみ花が元々ものすごい美貌の持ち主というわけではないと思っているので(失礼)、これは演技力のなせるわざですね。
ビバすみ花様!
ブラボーすみ花様!
ゆうひさんのヴァルモンもすごくよかった。
こういう陰険な(?)役似合うわ。
持ち味の薄暗さと権謀術数入り乱れる宮廷恋愛劇がしっくりくる。
長髪のカツラで外したためしがないゆうひさんなのでヴィジュアルも美しい。
ポスターの段階では「ワカメですかコンブですか」と少々ひいてしまったのに、舞台でみるとやはり似合う。
さすがはコスプレ王。
で、この2人のやりとりが凄い。
この2人で策を練り、手管を弄し、駆け引きを繰り広げる。
互いを誰よりもみながら、恋はゲームとして生きてきたがゆえに、自分の本心を偽ってさえ勝負や優劣にこだわらずにいられない。
相手を屈服させることが目的であるかのように。
好きなのはメルトゥイユがヴァルモンに向かって怒りをたぎらせるところ。
――どうして早くあの女を抱いてしまわないのか。それほどまでにあの女に惹かれているのか。あなたらしくないことだ。
そんな風にヴァルモンを責め立てる。
嫉妬を冷笑にまぎれさせ、あくまでも勝負におきかえる誇り高さ。
なんという心理劇。
ほんの少しの表情の変化や声色にあらゆる心情をにじませる。
上品に、あくまで「仮面」の下から、匂い立つように。
そしてヴァルモンのゆうひさんもそれを受けてたつ。
それを表現できるこのコンビが凄い。
2人の間に青い炎が立ち込めるようだった。
鬼気迫る、という表現がしっくりくるような演技の応酬。
ひたすらにスリリングな舞台だった。
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