『心中・恋の大和路』感想・2
●オープニングの飛脚のダンスが楽しい。
真似したくなるけどバランスをとるのがむつかしそうだなぁ。
飛脚の動きは、飛脚の走りはこのようであったのだろうなと思うほどにリアリティがある。
浮世絵を見ているみたい。
●えりたんの忠兵衛は「なんか違う」という感じでいっぱいでした。
具体的にどこがどうとは言えないんだけど、これじゃない感がありまくり。
特に1幕は、八右衛門やおまんとふざけてるところはいいんだけど(でもまんまえりたん)、そこ以外しっくりこない。
2幕はなんだかんだ泣かされましたが……。
基本的にシャッキリしてて、アホっぽさがないからかな。恋に狂う感じがない。
ニンじゃない役だと思う。
・封印切りの場面は、えりたんが怪獣のようだった。
そこに「あー、えりたんだなー」と……(褒めてない)。
狂いの場で、迫力はあるんだけど、それよりも変な人っぽさのほうがまさってた。
次々出てくる小判に瞳子ちゃんの『さくら』を思い出した。
ほんとどんだけ仕込んでるの。
――ちなみに次々出てくる小判は、止めるふりして抱き付いてるときに、あゆっちやうしくんらがこっそり渡してるそうですね。
気づかなかったよ。
●汝鳥さんのお父さん(孫右衛門)は泣ける。めちゃくちゃ泣ける。
この1シーンのためだけに出たのか! と思うが、汝鳥さんレベルじゃないと務まらない。
ただし「なんて細い指だ」とか「こんなにやつれて」などのセリフは、相手があゆっちなものでついツッコミを入れたくなる。
気にしたら負けである。
●最初のほうの、与平とかもん太夫のやりとりも泣ける。
ちなみに与平のあの落ちつかなさや所在なさにすごーくシンパシーがある。
あとから考えたら、自分がジェンヌさんに会うときのような気持ちなんだなと……。
●うしくんの眉毛がお皿を並べたようで妙なツボに入って困った。
これ→ ⌒ ⌒ を逆さにしたような感じです。
与平は困ってじっとこらえたり泣きそうになったりしてる場面が多いからねー。
しかも上目づかい率高いし。
うしくんは正統派な美形なのに、蘭寿さんやモンチ並みによく動く眉毛の人だ、と、妙な発見をした。
●まっつの八右衛門が「与平、お前も一緒に来てくれるな」(正確な言い回しは忘れた)とうしくんの与平に大和路行きを誘うくだりはなぜかプロポーズにしか聞こえなかった。
なんでだろう。
まっつは腐な心をくすぐるジェンヌである。
ディスカッション
コメント一覧
とても頷いて読ませて頂きました。)
私も2回観劇しましたが、壮さんは「健全」な性分なんだな~とつくづく感じた大和路でした。
(個人的に忠兵衛@仁左衛門丈の印象が強すぎたのかもしれませんが
>さくら さま
あんまり死にそうにない元気な忠兵衛さんでしたね……。
役者としてはどうなんだという気もしますが、本人の持ち味のかわいさで許される感じがえりたんだな、と思いました。