『翼ある人びと』感想・4

●いろんな人の恋や、距離の縮まり方がいいな。
喜んだり心を許したりして表情がほころんでいく。

心理表現に無理がないから、どの登場人物にも素直に感情移入できる。
彼らの喜びも辛さも、我がことのように迫りくる。
客席がむせび泣く声で満たされるわけだ。

ブラームスとピアノを弾きながら顔をほろこばせていくルイーゼ。
クララと過ごすうちに徐々に偏屈さが消えて柔らかい雰囲気になっていくブラームス。
彼らを観ているとこちらまで幸せになる。

●まぁくんのブラームスは丁寧で誠実。
きちんと育てられて、またそれに応えてきた(ときには無茶ぶりにも)人の強さを感じる。

陰鬱な性格を見せていた序盤ですら、きちんと物語の主役としての美しさが感じられた。

●緒月は、小公演の2番手に外れがないよなぁ。
『オネーギン』、『ニジンスキー』、そして今作。
これも代表作と言ってよい出来でしょう。

●1幕終わり、「楽しい楽しいお祭りだー!」なノリかと思いきや、ダークで怖い雰囲気になるのが好き。

クララがブラームスに「ルイーゼと結婚して」と嘆願する場面は迫力があった。
うらら様の硬質な美貌が、発言の残酷さを際立たせる。
クララの無自覚な愛を否定する気持ちが、言葉の刃となる。

ブラームス・クララ・ロベルトの3人のやりとりが息をのむ迫力だった。

●ラスト、クララに背を押されたブラームスが飛び立っていく姿が感動的だったんだが、客席の使い方が素敵だと思った。
普通の本公演だったら大階段を使ってもいいような演出。

ただ、DCは1階席しかないからいいけど、青年館だと2階席もあるからなぁ。
どうするんだろう。

初見は10列目あたり(中通路より前)にいたので、舞台から降りてくるまぁくんを観ていたら振り向けばりんきらがいてびっくりした。
上手客席扉から登場してたんですね。

まっすぐ自分の道を選んだブラームスに彼の姿は見えなくなるのね。
自分を見ないブラームスの背中に笑顔で手を振るベートーベンもよかった。

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