『THE SHINSENGUMI』大阪公演・感想

宝塚以外

東京で観た『THE SHINSENGUMI』の大阪公演を観てきました。
大阪公演は12月21日(土)19時の1度きり。
大阪上陸初日にして千秋楽でもあるという、なんともテンションの高い公演になりました。

・だいたいは東京で観たのと同じ感想。
(そりゃそーだ)

出演者が男性のみだからか殺陣師みたいな人がキャストに入ってるせいか、殺陣の迫力がすごい舞台でした。
宝塚の舞台に比べてめちゃくちゃギリギリな感じがしました。
形だけやってまーす、って感じじゃないの。

あとダンスが全体に力強い。

・千秋楽のせいか大阪公演のせいか、お遊びが多かったです。
中でも芹沢役の清水さんがすごく仕掛けてきてた。
特に土方役の東山さんをいかに笑わせるかに苦心してた。

芹沢が「土方のマネしながら出てくわ」と言いながらハケてったりね。

東山さんは役を崩せないので必死で笑いをこらえ、こらえきれないときは後ろを向いてました。

・竜馬役の人がよく噛んでた。
良知くんの女装シーンでも噛んで「こんなの見てるからよ!」と言われ、でも良知くんは「見なさいよ!」と裾をバサバサさせてました。
大サービスだった。

・土方を演じる東山さんがめちゃくちゃかっこいい。
渋かっこいい。
「大人の男を見た!」という満足感があります。
迫力がすごいんだもん。

ダンスも素敵だし声もびんびん響くし。
引き込まれるなぁ。

土方はこの舞台の中で一人「男」として生きていて、孤独も絶望もなにもかも背負って、すべてを引き受けている。
「破滅の美学」というと中二病的な若者の特権みたいな感じがしますが、彼は大人でありながらそれを持っている。

生まれながらの武士じゃない。
けれど、だからこそ、誰よりも武士であろうと希求している。
それがなんだか悲しい。

・東京で気になった「金髪ふわふわ小僧」=長澤さんというのですね。
彼のダンスをもう一度観たくてチケットを入手してしまいました。

やっぱりすごかったー!!

このすごさをうまく表現する言語能力を持ち合わせていませんので、「すごかった」とだけ書いておきます。
1幕の終わりごろだったっけな、3回くらい連続回転するところはしびれたわ。

なんで彼を気になるのかなー、と考えたら、コムに似てるんだなというところに行きつきました。
ダンサーで中性的なところがでしょうか。
私が勝手にそう思っただけで、他の方から見てどうかはわかりません。

来年行われる『ニジンスキー』観に行きたい……。
(大阪か名古屋でもやってくれ)

・小寺さんのアーネスト・サトウもやっぱりすごい。
あーもうほんと腹立つなー! いけ好かねぇー! と本気で思います、彼のサトウ……いや、サトゥーには。

小寺さんはタップが得意な人なんですね。
こういう適材適所っぷりがオギー演出作品の好きなところの一つです。

・「俺の奥さんは京都の人で…」の歌で変なネコ(失礼)が出てくるアホらしさがこの舞台の特徴の一つだし、また、歌詞も「ひどいよ芹沢ちゃん」とか「~なんだよね」とかのすごくアホっぽいしゃべり言葉です。
基本的に詩的な詞はありません。

高校生とか大学生とかの、なんだかとっても若者のノリ。

新撰組だと思うとアレだけど、でも実際そういう年代の人たちなんだよね。
精神年齢は今とあの頃じゃだいぶ違うでしょうが。

だから彼らがどんどん死んでいくのが痛ましく思えます。
若者の、直情的な行動の結果と、時代の流れとして。
そして土方の享年にも、自分と引き比べていろいろ思うようになりました。

自分が学生のころは彼らが20代で時代の先陣を切ったり、世の中を作るべく働いて命を落としたことになんにも思わなかったな。
それなりに年を食うと、感じるものも違ってくるわ。

年のせいかわかんないけど、奥さんに会いにいこうとして、その途中で戦死する話はすごく泣けた。

・ラストの衣装、脇などの毛の処理がきっちりされてる人とそうでもない人がいる。
職業=ダンサーな感じの人はわりときっちりしてる印象……?

良知くんみたいなキレイな子がばっさー! としてるのは「俺は女の子じゃないから! 男だから!」という一種のアピールなのだろうか、などとしょうもないことを考えてしまいました。

・西郷どんの犬のぬいぐるみが笑いのポイントなんだけど、引きずってる途中に倒れちゃったりして……。
また、カーテンコールでは犬も登場し、しかも客席に向かって投げた。
(でもヒモがついてるから飛んではいきません)

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