夏休み文楽特別公演みてきた

文楽,宝塚以外

夏休み文楽特別公演の第三部・サマーレイトショーを観てきました。
8月4日(土)午後6時15分の回。
演目は2本立てです。

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新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)
 野崎村の段

近松門左衛門=原作 鶴澤清治=補綴・補曲
日本振袖始(にほんふりそではじめ)
 大蛇退治の段

→詳しくはこちらをどうぞ。(PDF)

『新版歌祭文』は世話物。
孝行娘のおみつ、その許嫁の久松、久松と相愛のお染の三角関係のやりとりが見物です。

おみつの家にやってきた久松を覗き込むお染、それに気づいて威嚇するおみつ、おっとりしてるからいまいちわかってない風のお染……。
人形同士のやりとりですが、おかしみがあふれてます。
ただの色男(ゆえに無力)感のある久松には「しっかりせえ!」と言いたくなる。

コミカルな動きがほんとに面白かったです。

最後は久松・お染の仲と心中する覚悟に、尼となって身を引くおみつに泣かされます。

そして結婚する2人は駕籠と船に別れておみつの家から出立するんですが、おみつの家が舞台奥へ下がり、船が舞台前方にできた川を流れていくのがなんともすごい。
こういう派手な舞台の使い方、好きよ。

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『日本振袖始』はヤマタノオロチの話です。イナダヒメとスサノオも出てくる。
こっちが特にすごかったー!!!

『新版歌祭文』はお芝居の感じが強かったのですが、『日本振袖始』は日本舞踊に近いですね。
人形の動きや舞台美術が美しい。
太夫さんも5人くらい一斉に出てたっけ。豪華っっ。
三味線だけじゃなくて他の鳴り物の人も舞台にいたし、人数の力がすごかった。

そしてヤマタノオロチが出てくるところが大スペクタクル感があって良いのですよ。
ヤマタノオロチつってんのに、実質は4匹の大蛇(つながってない)やんけ、とかつっこみたくはなるけど、否が応でも盛り上がる。
大蛇の化身である岩長姫が、酒壺を飲み干すごとに魔性をあらわにしていくのもすごい。顔が、一瞬にして鬼になったりね。
そういう仕組みがあるのはなんとなく知ってたけど、実際に舞台で見ると驚くわ。

関係ないことながら、途中で「オロチ!」ってまーちゃんの声が脳内で響いて困りました。
キムシンの『スサノオ』のせいです。

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