『Lilac(ライラック)の夢路』感想・1

雪組公演感想,雪組

雪組大劇場公演『Lilac(ライラック)の夢路』-ドロイゼン家の誇り-の初日を観劇してきました。
4月22日(土)13時開演です。

いちおうまだ初日ということもあり、感想をクソ正直に書くべきか、良いところのみを探して書くべきか悩むんですが、まぁ、悩むってことはねぇ……ということ自体がなにかを物語っているのだとお察しください。
いや、まぁ「悩む」のもしょせん私個人のことなので、楽しめた方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。(適当)

今作は初舞台公演。
109期生のお披露目です。

ゆえに、宝塚歌劇の母体である阪急電鉄と、作品の鉄道事業を絡ませたのかなぁとか。
それぞれ違う個性と仕事をしている5兄弟で力を合わせて事業を成功させようとするところに、力を合わせて一つの舞台を作り上げるタカラジェンヌと重ね合わせて、109期生たちも頑張んなさいよ!みたいな発破なのかなぁとか。
ライラック=リラの花で、宝塚歌劇団の象徴的な歌「すみれの花咲く頃」は、ドイツの「再び白いライラックが咲いたら」が元になっているから(さらにそこからフランスの「白いリラが咲くとき」になったらしい)、そこも関連付けたのかなぁとか。

はい、宝塚歌劇とドイツのドロイゼン家をわかりやすく重ね合わせたような舞台でした。
あ、そういや初舞台生の口上でも「小林一三先生の生誕150年」って言ってたわ。
こういう身内的なことを客席に聞かせるあたりが宝塚やわ~~~~。(褒めてない)

あとゲーテの『ファウスト』のモチーフもちょくちょく入ってたかな。(あーさがまたメフィストフェレスやってた)
ゲーテ先生がドイツの人という以外、この作品とどう絡み合うかはよくわからず。このあたりも考えてながら見ると面白いのかも……? どうだろう。

主人公・ハインドリヒ(咲ちゃん)に弟(二男)のフランツ(あーさ)が反発しつつも5兄弟が力を合わせて鉄道事業を進めていくところに、魔女と呼ばれ虐げられたものたち、女性の社会進出といった社会問題もからませてストーリーは進みます。

途中、ハインドリヒたちの父の醜聞が出てきて、その原因と噂の出所を突き止めると……というあたりも、人間模様ですね。
人のうわさなどあてにならぬ、そして偏見から生まれているものも多々ある。

どこまでネタバレしていいのかわかりませんが、ドロイゼン家の5男・ヨーゼフ(かせきょー)よりも鉄職人・アントン(あがちん)は年下設定です。まだ少年に近い若者でしょうか。
誰得設定やねん、とつっこみたいところではありますが、この年齢差にもちゃんと設定上の意味はあります。まぁだいたいお察しいただける範囲のところです。
若造のあがちんとか、ほんと誰得……。

主人公・ハインドリヒとヒロインのエリーゼ(夢白ちゃん)はどちらも先進的で熱情をもった人物です。
どっちもぐいぐいくるタイプ。
それゆえにか、1.2倍速みたいなしゃべりになっていて、「思いっきり長くなった話を”巻き”でやり通すんか?」という感じでした。

夢白ちゃんは男装シーン(少年)で登場して、そこからドレスに着替えてくるのも2度おいしい。
トップ娘役お披露目の夢白ちゃん、やっぱり美女。

あ、舞台セットがとてもきれいでした。

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