『ENCHANTEMEN-華麗なる香水(パルファン)-』感想・5

花組公演感想,花組

花組東京宝塚劇場公演『うたかたの恋』併演のショー『ENCHANTEMENT(アンシャントマン) -華麗なる香水(パルファン)-』の千秋楽をライブ配信で見ました。
3月19日(日)13:30からの回です。
大劇場ではお正月3が日で4回観て、それ以来の花組です。約2か月半ぶり。

東京千秋楽、無事終演

とても好きなショーでどの場面も印象的。
華やかで品も色気もあって、早くも2023年のベストかな?と思える作品です。
再び見られて嬉しい。

新人公演のときも話に出ましたが、花組はコロナ禍以降、公演中止なしの東京公演に縁がない。
それがようやく、無事の千秋楽を迎えられるということでファン以上にジェンヌさんたちは感慨深かったのではないかと思います。

ましてやこの日は千秋楽。
退団者4名を送るとともに、かれーちゃんの同期で下級生時代から共に育ったマイティーが花組最後の日ということもあります。
旅立ちは切なくはあっても、きちんとした形で晴れやかに送り出したいものですから。

千秋楽のアドリブも随所に入ってましたね。
一番多かったのはチャイナ風の中詰かな?
歌詞に「千」「秋」「楽」をバラにしてつけてるひとこ、無理矢理だけど意地を感じました。

「あなたの愛はおれが守る」みたいなこと言ってたマイティーさん、セリフが唐突すぎてびっくりしたけど花男らしい。

男役群舞での青薔薇は愛ですね。
かれーちゃんから胸に差された青薔薇を愛おしみ、丁寧に踊るマイティー。

鹿の話

ムスクの場面の鹿について、私と姉のあいだで2か月半に及ぶ攻防があったんですよね(笑)。
簡単に言うと、鹿は存在するのか否か。
私は初日から「鹿でけぇ」と思ってたんですが、うちの姉はまーーーーーったく鹿の存在が目に入らなかったらしく。
おかげで「鹿なんていない」「鹿は幻」と頑なに言い張る姉VS「鹿、いたもん……」な妹(私)。
鹿はトトロ並みに存在を疑われることになっておりました。
さすがに「鹿なんていない」はネタで言ってると思うんですが、それでも『ル・サンク』やら『歌劇』やらの雑誌にも鹿の写真ないから、存在を証明できないんですよ(笑)。

それが、ようやく、この東京楽の配信で鹿の存在が明るみに。
というか、ついに姉の目にも入りました。

「鹿、デカっっっ」
「想像の4倍くらいある」
「劇場埋まってるやん!」と大ウケしてましたわ。

あのサイズでなぜ目に入らん!! とつっこみたいところですが、まぁ理由はわかってる。
舞月ちゃんをガン見してたんでしょうよ……。
この日も非常にダンスがお上手であられた。
そして学年がわからないお顔(中卒とはいえ若すぎ)だけど、なんだかんだ学年ぶんだけ花男をやってこられた色気とキャリアはお持ちなのである。

ファンの中でも鹿を見れたかどうかは、ご贔屓さん(的な人も含めて)の有無でかなり差がありそう。

千秋楽のご挨拶など

千秋楽ということで退団者のご挨拶などもあり。
らいすは学年的に大階段を降りられないのね。あと数ヶ月だとは思うんだけど、ご本人のタイミングもあるだろうから……。
それでも黒紋付きに袴姿で、大きな劇場でお客さんを前にご挨拶があるのはいいものです。

退団者の中で最上級生のかがりりちゃんは横持ちの娘役には珍しいブーケ。
でもすごく彼女らしい気がしました。

トップのかれーちゃんはぶじに完走した東京公演を寿いでいたような。

いったん降りた幕が上がって、かれーちゃんと退団者のみが本舞台に立つ場面。
退団者の思い出などを語るんですが、コロナ禍で芝居が止まっていたとき、LINEで「もっと芝居が上手くなりたいです」とかれーちゃんに問うたらいすの話がありました。
らいすは105期だから、かれーちゃんとは10期差。
しかも一下級生とトップスターという関係だからふつうなら隔たりはすごく大きいと思うんだけど、そこを乗り越えられるような関係性を築けているんですね。

ここちゃんのときは、彼女が一言しゃべるごとに「可愛い」「可愛い」と。
あまりに可愛いと言いすぎて、ここちゃんが「もうっ」みたいな感じになってましたね。しゃべりが止まっちゃうから(笑)。
かれーちゃん曰く「心の中のおじさんたちが……」。
95期のトップスターはなぜか心の中におじさんがいるようですが、複数形とは思わなかった。

そして「男前なところもあり」みたいなことを言ったとき「それはどういう……」とツッコミを入れるここちゃん。
ここちゃんも104期だからかれーちゃんとは9期差。
かなりの学年差だけど、ツッコミ入れられるんだ……と、かれーちゃん対下級生の関係性が新鮮でした。

最後の締めの花組ポーズはマイティー。
みんな待ってたよね。
たぶんそうだろうとは思ってても、やっぱりそうだと嬉しい。
客席だけじゃなく、後ろの花組生たちも喜んでるのが見え、マイティーが花組で愛され、信頼されてきたのが伝わってきました。

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