2009年月組『エリザベート』東京新公を見たんだ

月組公演感想,月組

楽天オンデマンド配信で2009年の『エリザベート』東京新人公演を見ました。
主演コンビはみりおとしずくちゃんです。
(本公演はトートがあさこ、シシィがカチャ。観てないです)
新公担当は小柳センセイだったはず。

長の期が89期で、最下が94期です。
今をときめく人たちがまだ若々しくてとっても懐かしい気持ちになります。

・ちなつは革命家の1人・エルマー。
このころから声質がいいし芝居もうまい。どことなく色気もある。
化粧は発展途上で、それがまた若さよねぇ。

・革命家・ジュラはたまちゃん。最下でこのポジっていうのはさすがに推されていただけある……!
そしてこのときからたまちな(ちなたま?)の縁は深かったのね。

・からんちゃんが少年ルドルフ役。
今でも年齢不詳・学年詐欺な美少年ぶりを誇るからんちゃんですが、当時はまっとうな新進若手枠。
今よりもさらにフレッシュで透明感のある子ルドでした。
歌もよかった。

・家庭教師がさち花。
当時から芸達者な雰囲気で、今に通じる濃さの片鱗がありますね。

・専科入りしたゆりちゃんが2番手・フランツ・ヨーゼフ役でした。
本物の王子様感がすごい……! さすがロイヤル。
本当にキラキラ、本当に白い。
若さと気品があふれていて、この皇帝に惹かれない若い娘はいないだろうと思えてしまう。
フランツに求婚され、美しさに見惚れるうちに大事なこと(皇后のつとめ)を聞き逃すのもやむを得ない。

ゆりフランツは皇帝としての義務に疑いをもたず、曇りなき瞳でシシィとの未来を見る。
ゾフィーによる「強く厳しく」にも責務として受け入れているように見えた。

・ルキーニは宇月。安心して見てられるわ~~~~。
浅黒いメイクに軽やかなラティーノの血と狂気を匂わせる。

・主演はみりお。トート閣下です。
のちに花組本公演でトートを演じますが、月組のトートは新公。
まだ若々しく、花組時代よりさらに「王子様」(皇帝ではなく)な雰囲気があります。
綱渡りから落ちたシシィに命を返すとき、ほっぺたが丸くふくらむのが可愛い。子リスっぽい。

闇が似合う美しさはこのときから。
歌も聴かせます。
芝居も丁寧で、月組らしいよねぇ。

・ヒロイン・シシィ役はしずく。
ほんっっっとうに可愛い。ほんっっっとうにキレイ。
絵画から出てくるのも納得の美少女ぶりです。

そりゃートート閣下も惚れるわ、従順なフランツも母后の意向を無視しちゃうわ。
「君の美貌が力になる」と言われるのも頷くしかない。
宝塚において美は正義だ。
ヒロインとしての説得力がすごい。

ただ、歌は厳しい。
なかでも「私だけに」は耳音痴な私ですら聴いていて辛くて「やめて差し上げて……!」と言いたくなったわ。劇団に。

しずくだって努力はしたんだろうけれど、人間努力すればなんでもできるようになるわけじゃないからなぁ。
努力したところで限界値が低いものもある。
宝塚の娘役には音域の問題もあるし、歌は才能の部分が大きいと思うのよ。

と、ビジュアル面の素晴らしさに抜擢は当然と思い、でも歌では聞いてるこちらが申し訳なくなるというシシィでした。
美貌と歌唱力の両立って難しいよね。

・面白かったのが蘭ちゃんのヘレネ。
シシィのお姉ちゃん役です。

ビジュアル的に可愛い。
どんくさい演技してるのも可愛い。ちょっとすっとんきょうというか、必死な感じの役作りをしてるのね。

要所要所で低い声を出してくるのがまたコミカル。
自分がと思ったら妹のシシィがフランツに選ばれたときの「あ゛」の声と呆然とした表情がすごくツボです。

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