『元禄バロックロック』新公感想・1

花組公演感想,花組

花組大劇場公演『元禄バロックロック』の新人公演を観てきました。
席は2階の果てのほうですが、見られるだけでありがたいことです。

新公の雑感

新公主演は満を持して感のあるらいと、研5ですね。大物感のある若手の、ついにやってきたセンターです。

新公ヒロインはあわちゃん。
『はいからさんが通る』の新公ヒロインも決定していましたがコロナ禍でお客さんの前で演じる機会を得ず……。
リベンジとは違うでしょうが、こちらも待ちかねていた登板でしょう。

新公の担当は栗田優香先生。
そらちゃん主演の宙組バウホール公演『夢千鳥』で一躍名を上げた新進気鋭の演出家です。
『幕末太陽傳』『ベルリン、わが愛』の新公も演出してたのね。観てないけど『カンパニー』も。

『元禄バロックロック』は役がふんだんにあること、役の演じ方に自由度が高いこともあって、新人公演に向いている演目だったと思います。
主に新公の長の期である101期生や102期生らが舞台をびしっと締め、下級生はのびのびと演じる。
2年ぶりの新公ということで、かつて以上に「新人公演」というものが初めての生徒が多かったんですよね。
大変だったでしょうが、それでも楽しさが伝わる新公でした。

主演・らいとクロノスケ

今回の主演・らいとくんは177センチの長身で歌唱力のある男役若手スターという認識です。
スタイルの良い長身と、悠然とした雰囲気があるのは強い。

ただ、どうもらいとくんの芝居はいまいちなようで……。
セリフのイントネーションがときどき変なんだよね。
単語レベルでも文章レベルでも「なぜそこでイントネーションを上げる?」と思うところが何度もあった。特にキラの部屋の場面でだったと思う。

感情を動かして高めの声でしゃべるところで気になるときが多かった気がする。
なので、とことんキザな役か、落ち着いた役ならセリフ回しが気にならないかな?

歌はいい。というか、声質自体がいいのかな。
最初の歌はもう一歩と感じたけど、花火の歌は聴かせました。

時計が贋物だったとわかったときのらいとクロノスケの動きは新公アレンジで面白かったですね。
あわちゃんキラの肩に頭預けたり、押し返されて寝転んだり。
でっかい赤ちゃんぽさがある。

冒頭の「時を戻して争いのない世界に」みたいなのを三白眼を効かせた人を殺しそうな目で言っていたのがちょっとツボです。

ヒロイン・あわちゃんキラ

可愛い。ほんと可愛い。
あわちゃんは雪娘1のひらめちゃんに似た、ザ・娘役な可愛さをもつヒロインです。

お芝居もわりと上手いのが嬉しいところ。
「戦ってくれるわよね?」みたいにクロノスケに剣を渡すところは嬉しそうで、テヘペロ系の可愛さ。

歌も健闘してましたね。

少年マンガっぽいかれー・まどかに対し、らいと・あわちゃんは少女マンガっぽい並びでした。

終演後ご挨拶

新人公演終演後には長と主演からのご挨拶があります。

まずは新公の長のみおんちゃんから。
みおんちゃんからは、2年ぶりの新公であること、ゆえに初めて新公の生徒も多いということを言ってたかな。
まとめるの、大変だっただろうなぁ……。

主演を務めたらいとはなぜか「『元禄バロック』をご観劇くださり……」とタイトルを短縮形で。
いつものクセが出たのかな?(知らんけど)

新公主演で押しつぶされそうだった、という感じのことを言っていた覚えがあります。
抜擢に応える力だけでなく、与えられたものの大きさに受け止められることや、プレッシャーに負けない心をもつ人だけが、宝塚のスターとなれるのだなんてことを感じました。

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